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『夕張市立総合病院の指定管理者選任の条件とされる社会医療法人と北海道庁の施策』 (長 隆)

北海道庁は 新医療法の2007年41日施行後速やかに 第1号の社会医療法人を認定するものと見られます。

夕張市立病院のアドバイザーとして繰り返し指定管理者は社会医療法人が条件となるべきことを夕張市・北海道庁に申し上げてきました。

近々公募の上、決定される医療法人は指定後直ちに北海道知事に認定の申請をしなければならないし 認定の可能性のない医療法人は公募に応募することは出来ないと思われます。

特定・特別医療法人・医療法人財団・民法上の公益法人などは診療所であっても(医療法第42条の2)社会医療法人の公益要件をクリアーできます。

問題は救急医療等確保事業が行なえるかどうかです。

医療法では等には 「僻地の医療」が医療計画において必要があるとされるなら該当する事になっていますから、夕張市にあっては当然前倒しで認められるでしょう。

北海道庁は夕張再生に全力で努力されています。

医療法第42条の2第2項の医療審議会は早急に開催され認定の審議がなされるものと思います

『なぜ夕張市立総合病院は、公設民営化し公募する医療法人は社会医療法人でなければならないか』

(公募する医療法人は、ハードルの高い社会医療法人とされる理由)

公的病院としての公益性の維持をするためには私的経営を排除する必要があるからだと思われます。

2007年4月1日施行の医療法改正により、医療法人は出資額限度法人の設立しか認められないとはいえ、社会医療法人に比べると私的な経営を行う余地はまだ十分にあります。

例えば、医療法改正後も医療法人は、全員親族で役員・社員を構成することが可能であるのに対し、社会医療法人の親族割合は3分の1に制限されています。また、社会医療法人の場合、医療法人のように勤務実態の乏しい親族に役員報酬を支給することはできません。

もともと公立病院として私的経営が排除されていた夕張市立総合病院が、私的経営が可能な医療法人に移行してしまうと、公益性の維持がなされなくなるおそれがあるのです。

ここで、社会医療法人でも理事長の独裁により公益性が失われる可能性があるとの見解もあるかもしれません。しかし、社会医療法人は私的経営を行うとその認定が取り消されるので、その批判は当たりません。

また、一定規模以上の社会医療法人は公認会計士又は監査法人の財務諸表監査が義務付けられているため、財務の透明性を確保することも可能です。


『社会医療法人創設の狙い』

20059月号のフェイズ・スリーで、社会医療法人創設の狙いについて厚生労働省医政局指導課課長補佐の山下護氏が、興味深い内容を執筆されていたので、抜粋します。

『「税金を納めず、公費まで投入されているのに、地域で必要な医療に取り組んでいない自治体病院は必要ない」というのがわれわれの本音』

改正医療法においても、小児科や産婦人科、救急医療等を実施していない自治体病院が、遊休病床の取り上げや民間への経営形態の変更により再編される方向性が示されています。都道府県が中心となり、自治体病院の再編に取り組むことができるか否かは大きな課題となります。

『社会医療法人の数に上限を設定するつもりはありません。地域医療の担い手ニーズは今後も尽きることがないからです。しかも、数が増えれば競争となり、医療の質も底上げされる。同法人への移行は大歓迎です。』

社会医療法人の認定要件は現在のところ、救急医療等確保事業の実施、財務諸表監査の実施等、非常にハードルが高くなっています。一方で、ハードルの引き下げは社会医療法人の公益性を低めるおそれがあります。今年度の税制改正要望に含まれる社会医療法人の法人税率は公益性の確保が必要なので難しい問題です。

『来年度(194月からの事業年度)に入っても社会医療法人に移行する法人がなかなか出てこない場合は、病院関係者らと協議し、使い勝手の悪い点を明らかにしたうえで、さらに魅力のある法人類型にしていくことも必要でしょう。』

特別医療法人創設の当時も認可要件が厳しく、なかなか普及がなされず、認可要件の緩和が図られたとの経緯がありました。社会医療法人も改正医療法で定められている厳格な認定要件を鑑みると、将来的には緩和される方向にはあるかと思います