|
『栃木県福田富一知事とお会いしました』
とちぎ地域医療/「お産難民」発生の恐れ/高リスク対応も不安視/県内病院、相次ぐ分娩休止 日本産婦人科医会など関係者の話を総合すると今春以降に分娩を休止したか休止する可能性が高い医療機関は、宇都宮社会保険、NHO栃木病院、塩谷総合の三病院のほかにも、県央に複数ある。これらの医療機関の分娩実績を合計すると年間約千五百件に上り、県内出生数の一割にも迫る。 NHO栃木病院の分娩の受け皿となり得る済生会宇都宮病院は既に、年間約千件の分娩を手掛けており、現状の体制でさらに受け入れられる余力は百件程度とみられ、限界はある。 県内の大規模病院産婦人科勤務医の一人は「正常分娩の妊婦でも近い将来、産む場所がなかなか見つからない、と実感するようになるのではないか」と懸念。さらに「特定の病院に分娩が集中しすぎると、そこの医者が疲弊して医師不足の悪循環を招きかねない」とも分析する。 産婦人科医で宇都宮市医師会の近澤幸嗣郎理事は「(中核病院の機能が低下すると)、開業医では対応しきれない未熟児などハイリスク妊娠の対応はどうなるのか」と心配する。 妊婦側にも不安が絶えない。来年一月にNHO栃木病院で出産予定の宇都宮市の二十代女性は「不測の事態が起きても安心と思い、総合病院を選んだ。産むことはできても産後を考えると(診療縮小には)不安が残る」と表情を曇らす。同病院で出産したばかりの二十歳代女性は「お医者さんがいなくなっては、二人目を産みたくても産めなくなってしまう」。 医師不足の背景に、産科医に対する期待の大きさの裏返しとして、厳しい社会の目を指摘する声もある。日本産婦人科医会の県支部幹部は「医師の中でも産婦人科医には社会的なプレッシャーがひときわ強い」とし、医師の分娩離れや医学生の産科離れに拍車を掛けている現状を訴える。 [写真説明]産婦人科の常勤医減少に伴い、来春から分娩対応を大幅に減らす国立病院機構栃木病院。来夏からは分娩対応がなくなる可能性も=13日午後、宇都宮市中戸祭1丁目 下野新聞社 |