病院事業管理者は、副院長時代から病院を管理・運営をする手法を学ぶのが一番いい
神奈川県川崎市は、本年4月1日付で市立病院を管轄していた健康福祉局から病院局を独立させるとともに、病院の人事・予算など広範囲な権現を持つ”病院事業管理者<|ストを新設。この初代病院事業管理者に前埼玉県病院事業管理者として手腕を発揮した武 弘道氏が就任した。
川崎市には、市が管理・運営する急性期患者を対象とする川崎病院(733床)、慢性期患者対象の井田病院(443床)の2施設があるが、この2施設とも外来・入院患者は増えておらず、経営収支状況は良くない。両施設の累積赤字額は約160億円に達しており、この経営改善を図ると共に、明年3月には多摩病院〈372床)の開院も予定されているため、川崎市が武氏を招聘したもの。
「埼玉県立病院の病院経営よりは川崎市立病院の経営の方がやりやすい。と、いうのは、埼玉県立の4病院はいずれも特殊専門病院なので、病院経営の改善は難しかった。その点、市立病院は、一般の総合病院であり、私自身鹿児島市立病院で8年間病院経営を担っていたので、経営はやりやすい。それと、私が20年間にわたり全国約50の公立病院の経営データを分析した結論は、”経営の良い病院は一様に似ているが、経営の悪い病院はそれぞれ異なった要因で、経営が悪い≠ニいうこと。市立病院で働く職員に対して、各自が考えて自院の改善すべき点、歪みを見つけてもらいたい。診断がつけば病院は半分は治ったようなもので、病院経営は向上するはず。埼玉県でも感じたことだが、川崎市でも病院職員に対しての経営情報が十分に知らされていなかったと思うので、私は職員に対して経営情報を開示していきたい」と武氏は述べる。
「私は病院事業管理者になって11年になるが病院事業管理者がいない病院は、社長がいない会社と同じで、従業員は努力しているが、その働きはバラバラで方向性がなく、いい結果がでない。病院事業管理者は絶対に必要であり、管理者がいれば、現状を把握した後、将来に対する中、長期計画を立て、その計画に、基づいて実行することができる」と強調。現在、病院事業管理者は青梅市の星和夫・青梅市立総合病院院長、横浜市の岩崎榮・前日本医大常務理事ら65名が各自治体で活躍している。
「病院事業管理者は、厳しい病院経営化、今後ますます存在意義は大きくなり、その養成が今後の大きい課題でもある。私の経験からは、院長から就任するのもいいがやはり副院長時代から病院を管理・運営する手法を学ぶのが一番いいと思う。九月に長崎市で開かれる病院事業管理者の会で提案したいと考えている」と病院事業管理者の養成が急がれることを強調する。
武氏は昭和12年生まれの68歳。昭和37年に九州大学医学部を卒業後、同大小児科学を専攻。昭和52年鹿児島市病院事業管理者兼病院長となる。平成14年に埼玉県病院事業管理者に就任し、埼玉県立四病院の約70億円の経営収支改善を成し遂げた。
埼玉県病院事業管理者として病院改革の体験談を紹介した同氏の「こうしたら病院はよくなった!」が、病院関係者の間で注目されている。
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