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公的病院の役割を認定医療法人に


厚労省が「公益性高い医療」を例示


厚生労働省は2006年の医療法改正で誕生する「認定医療法人」に担ってもらう公益性の高い医療を例示した。小児救急医療や災害医療、へき地医療など採算性が悪い一方、住民にとって必要不可欠な分野が中心。いずれもこれまで自治体病院などの公的病院が中心となって担っていた分野だが、民間病院に積極的に取って変わってもらう考えだ。

認定医療法人は、現行の特定・特別医療法人を統合する形で新設する民間の医療法人。公益性を重視し、社員の出資持分はなく、解散時の残余財産も他の医療法人や国、地方自治体に帰属させる。医療計画では公的病院と並ぶ位置づけになり、公益性の高い医療を一定範囲担ってもらう見返りに税制上の優遇や財政支援をする見込みだ。
 認定医療法人に担ってもらう公益性の高い医療について厚労省は、採算面から一般の民間病院が敬遠しがちな周産期医療や小児救急、精神救急、災害医療、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療などを例示した。改正医療法に基づく大臣告示によって定める考えだが、地域ニーズの多様化に対応し、告示した内容以外にも認められる仕組みも検討する。

 
 政策医療を付け替え

 公益性の高い医療は、独立行政法人国立病院機構や自治体病院がこれまで担ってきた「政策医療」の分野とも重なるが、財政状況などの悪化などに伴って公的病院にも一定の採算性が求められている中で必ずしもカバーできない。総務省の自治定病院の削減方針もあり、いっそこうした分野を経営手腕にも優れた民間の認定医療法人に付け替えてしまったほうが得策との考えがある。
 厚労省は経営が立ち行かなくなった自治体病院の廃止に伴う受け皿として認定医療法人を想定している面もあるが、出資持分のある通常の民間病院にたっては「脅威」にも映る。病院関係者には「採算が取れてば公益性の高い医療とはいえないのか。一般の医療法人も公益性の高い医療をやっている」などと認定医療法人のみ特別に扱うことに疑問を投げかける意見もある。
 厚労省が示す認定医療法人が担う公益性の高い医療は次のとおり。
▽休日診療や夜間診療などの救急医療
▽周産期医療を含む小児救急医療
▽精神救急医療
▽災害など緊急時に対応する医療(災害医療)
▽へき地医療・離島医療
▽重症難病患者に対する継続的な医療
▽すべての感染症に係る患者を診療する医療
▽筋萎縮性側索硬化症(ALS)など継続的な在宅療養を必要とする患者に対する医療や当該患者の療養環境の向上を図る活動
▽患者を早期に社会復帰に結びつける医療連携に関する活動
▽医療安全及び疾病予防に関する先進的な医療で、患者や地域の医療期関に対して無償で相談助言や普及啓発を行う活動
▽質の高い医療従事者の確保・養成に関する活動
▽高度な医療技術を利用した研究開発であって、患者や地域の医療機関に対し当該研究結果情報を無償で提供する活動
▽治療との有機的な連携による治験(活動)