

ーサービス・マーケティング・アプローチー

発行者 千倉 成示
2005年7月1日 初版発行
1954年 北海道生まれ
1981年〜1998年 淀川キリスト教病院勤務
1998年 神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程終了
博士(経営学)取得、国際医療福祉大学、流通科学大学を経て
2005年 上智大学総合人間科学部助教授
業績
「ヘルスケア・サービスの構造特性」、神戸大学大学院博士論文,
1998年 『ケアのマーケティングを考える」,「病院」第60巻第1号ー第2号,
2001年「「病院経営戦略」(長谷川俊彦編)医学書院,2003年
「島津 望」上智大学助教授が「医療と質と患者の満足」という好書を平成17年7月1日出版されました。同教授は、私が編集委員をしている「介護サービス事業を経営実務の執筆をくださった立派な方です。是非ご一読下さい。
東日本税理士法人代表 長 隆(osa takashi)
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一般的にいって、医療、健康、福祉などが、経営学のテーマとして取り上げられることは、まだそれほど多くはない。しかし、そうであるからといって、これらの分野には、経営学として研究すべき課題が少ないということではない。そこには組織の問題もあれば、消費者としての患者や利用者との関わりについての問題もある。組織の構造、インセンティプシステム、経営理念や組織文化、また、リーダーシップの問題などは、企業の組織と同じように医療や福祉などの組織にも見られる問題である。また、患者や利用者の満足についても、これらの組織では大きなテーマになっている。さらに、環境に積極的に対応していかなければ、存続が危うくなるといったことも現実に起こっている。このように、これらの領域にもマネジメントの課題は数多く存在する。
ただ、市場における取引を前提にしてきた経営学の理論が想定していないことがらがある。公正や公平といったような、経営学ではあまり表にでてこない問題が関わってくる場合もある。また、戦争という概念などは、何のための競争かということを問いなおさなければならないであろうし、経営成果についても、企業のように明確に測ることができないといった問題もある。
しかし、このような問題があるにしても、現代社会における医療や健康、福祉などのマネジメントに関する問題は、われわれが積極的に取り組んでいかなければならないものであると考える。これまでのわれわれの社会が、ある面では企業の健全な活動によって豊かになったように、これからの社会が真に豊かなものになるのか、そうでないのかは、1つには医療や健康、福祉などが、さきに述べたような課題を積極的に解決してゆくことにかかってくると考えられる。
本書は、企業のマネジメントとはやや異なった構造を持つと思われる医療、健康、福祉などのプロフェショナル・ヒューマンサービスというものに共通する問題をあつかったものである。医療の問題を重点的に取り上げたが、その意図するところは、医療の特殊テーマを分析することではなく、医療を医療を代表として取り上げることによって、その他のプロフェショナル・ヒューマンサービスにも共通する構造を解明することである。サービス・マーケティングの点から、これらのサービスの特性に注目して、一般的なサービスとこれらプロフェショナル・ヒューマンサービスの特性を比較し、これらの組織および消費者としての患者や利用者との関係について分析した。
医療や健康、福祉などのサービスとしての特性を本書では4点あげた。1.サービス評価の二面性、2.利用者の変容性、3.期待の不明確性、そして4.連続性である。これらの特性から、プロフェショナル・ヒューマンサービスの組織は、従来のサービス一般から導き出された理論では解決できない、特有の問題をかかえることになる。それぞれの特性とそれがひきおこすマネジメント課題およびその対応については、第二章から第6章で詳しく述べられている。要点を1つあげるとすれば、これらのサービスには、サービスの提供者と利用者との間に信頼関係が必要とされるが、それは、信頼する側と信頼される側といったように一方向的なものではなく、互いに信頼を必要とするような形のものだということである。この相互の信頼が成り立つためには、サービスの提供者と利用者が、互いを必要とするものであることを認識する必要がある。そして、そのことが組織の構造として組み込まれなければならない。その基本的姿勢は、コミュニケーション的行為というものにある。第5章と第6章において、事例として取り上げた医療の実践のなかには、このような試みが見られる。こうした分析を通して、両者の間に尊厳のある対等な関係が築かれることへの可能性を探ろうと試みた。
本書は、この分野における研究者や実務家の方々だけではなく、一般の方々にも広くお読み頂きたいと願っている。ここでとりあげた問題は、数多くのごく一部に過ぎないが、読者の皆様がこれをきっかけとして、医療や健康、福祉などの組織やその利用者とのかかわりについて、関心をお持ち頂けることを願うものである。
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| 編集委員 |
代表 栃本一三郎(上智大学 助教授) |
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長 隆(公認会計士・税理士) |
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槇 孝悦(株) 槇コンサルタントオフィス 代表取締役) |
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| 執筆者(50音順) |
秋元 孝則(医療法人啓仁会 常務理事)
阿部 弘由己(医療法人社団永生会永生病院 総務課)
安藤 高朗(医療法人社団永生会永生病院 理事長)
岡田 芳明(公認会計士・税理士)
島津 望(国際医療福祉大学 助教授)
鈴木 稔巳(公認会計士)
網川 晃弘(人事コンサルタント・社会保険労務士)
出口 卓正(医療法人社団永生会永生病院 人事課)
本多 勇(国際医療福祉大学 助手)
中屋敷 俊明(アミューズ.タス代表)
西口 守(国際医療福祉大学 専任講師)
丸山 徹(国際法人城西医療財団 企画室)
編集協力 社会福祉・医療事業団
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