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『合併が生んだ悲劇 佐野市民病院』(長隆)
      

5年以上前に 総務省のアドバイザー事業に選定され訪問した。 長野県飯田市立病院の事例を思い出しました。
飯田市に合併の際本来は廃院が当然であった第2病院問題である、至近距離にある本院があり存在理由がまったくなかった。        しかし、 存続が不合理であることが共通の認識であったにもかかわらず合併時の約束で何が何でも存続という事で結果的に最近ようやく廃院となったのである。 
講評の際多くの看護師の皆さんから〜〜〜負債を巨額に膨らませ廃院となった。佐野市が改革出来なかったのは似た事情があったのかもしれない。

企画/瀬戸際の自治体医療 佐野市民病院の行方/下/道筋/再生ビジョン提示 先決/求められるスピード感
2007.02.01
 朝刊 
 「医師確保を最優先させ民間移譲も視野に入れたい」。昨年暮れの佐野市議会各派代表者会議。同市の担当部長は、佐野市民病院の再生の手だてとして、民間移譲(売却)も追加した。
 年明けには市民病院の常勤医がさらに減り、事態の深刻化も想定された。各会派向け文書には「このままでは病院存続が危ぶまれる事態が危惧(きぐ)される」とも記していた。
 市は、市政策審議会が昨年秋に出した「指定管理者導入」の方向で将来像を描いていたが、予想を上回る急激な医師減少に急きょ民間移譲を加えざるを得なかった。
 指定管理者と民間移譲はいずれも自力で医師を確保できる引受先に運営を任せる方式だが、内実は違う。「公設民営」の指定管理者制度は、民間に運営を任せ職員を公務員でなくすることで人件費管理を柔軟にできる一方、設置者である市は病院運営に一定の影響力を持ち、不採算でも政策的な医療を担保できる。
 民間移譲は基本的に運営に口出しできず、求める地域医療の機能が損なわれる恐れがあるほか、移譲時に多額の財政負担を強いられる。当初「廃院の次に避けるべきだ」との指摘も市にはあった。
 
負の波及効果
 民間移譲も視野に入れなければならない市判断の背景には、頼みの綱の獨協医大の姿勢がある。
 市から指定管理者引き受けを打診された獨協幹部は「経営難の市民病院をそのままで指定管理者になれば、獨協自体の経営に及ぼす悪影響が大き過ぎる。財政面など行政も含めたそれなりの支援が必要」と強調する。
 一方、医師派遣については、指定管理者の引き受け話とは、ニュアンスが異なる。医師派遣は教授を軸にした診療科ごとの裁量に委ねられ、これまで多くの医師の派遣実績がある。獨協が「可能な限り協力してきた」と強調する理由。しかし指定管理者に獨協の慎重姿勢が示された以上、医師派遣にも負の波及効果が出ることは必至だ。
 
「現実」を直視
 「いったん離れた医師が戻ることは難しい。最小限の医師でどんな医療を展開するのか明確にしなければならない」。自治体病院の経営に詳しく佐野市民病院の動きも追う城西大経営学部(埼玉県)の伊関友伸助教授(行政学)は指摘する。
 伊関助教授は市民病院の現状を「苦境に陥った自治体病院の典型的ケース」とし「現実を直視すれば慢性期を中心にした医療に特化せざるを得ない」。救急など急性期は佐野厚生総合病院を中心に考えるべきだという。
 岡部正英市長は三十一日、市民病院の引受先に特定の相手が念頭にあることを認めた上で「交渉事で微妙な時期。地域医療の確保のための病院を目指す、としか言えない」とし、具体的なビジョンを示さなかった。
 「ある意味、政治的に事を進めなくては道筋は見えない。スピード感が必要だ」。伊関助教授は病院再生に立ち向かう姿勢を指南している。