| 医療法人を通じた株式会社などの医療機関経営への参入 |
株式会社による医療機関経営の多様化 |
@構造改革特区の株式会社病院の参入要 件緩和(05年度中に措置)
A医療法人から医療法人への出資などの 容認(05年度中に措置) |
| 持分のない新たな医療法人の創設(06年の医療 |
少なくとも株式会社と同等の経営情報の開示や財務の透明性の確保などを盛り込むとともに、経営に関する住民の参加を促し、住民や地域に開かれた民間非営利の事業体を構築すべき |
医業経営にかかわる規制改革・民間開放推進会議の第一次答申
(昨年12月、具体的施策のみ)
認定医療法人(持分なし)【公益性+非営利性】
残余財産の帰属先は他の認定医療法人か国、地方自体
役員に対する報酬などの支給基準を開示
医療計画上、自治体病院などの公的機関と同列扱い
事業計画や事業報告を住民に公開
理事長要件のさらなる緩和
地域住民や有識者を交えた評議員会の措置
自己資本比率の緩和
公募債の発行(外部監査が必要)
税制上の優遇措置
地域の住民や企業からの寄付受入れに伴う税制上の措置
特別養護老人ホームなどの運営解禁
医療法人に対する出資の容認 |
医療法人間の出資容認の実施時期については、答申では「05年度中」と明記されているが、実際には認定医療法人の創設を盛った06年の医療法改正とセットになる可能性が高まっている。
徳州会東京本部の中川事務局長は歓迎ムードだ。「(認定医療法人への移行は)望むところ。医療法人同士の関係が明確になり、分かりやすくなる」。厚労省は認定医療法人の創設後、既存の特定医療法人、特別医療法人を廃止する方向で検討を進めており、すでに出資持分のない特定医療法人になっている徳州会が認定医療法人に移行しない理由は見当たらない。
認定医療法人の創設に向けては、これまで徳州会の合併のネックとなっていた自己資本比率規制の緩和も検討課題の一つに上がっており、仮に徳州会の移行が実現すれば、これまでのようにわざわざ株式会社を通じて「迂回出資」する手間が省ける。中川事務局長は「自己資本比率が何%まで緩和されるのかが重要だが、グループ内の医療機関は徳州会として一本化するのが最も望ましい」と規制緩和の行方を見守っている。


京都市を中心に7つの病院をはじめ、診療所や老人保険施設などの福祉施設を経営する武田病院グループ(武田武久理事長)
JR京都駅前の武田病院(京都市下京区)を運営する医療法人財団康生会と、武田総合病院(同伏見区)を運営する医療法人社団医仁会が中核となり、康生会が本部機能を果たしている。このほかグループ内には十条病院(同南区)と大羽記念病院(同伏見区)を運営する医療法人財団医道会、医療法人財団城北病院(同北区)、さらに木津屋橋武田病院(同下京区)、宇治武田病院(京都府宇治市)など2つの個人病院を抱えている。
同グループは、康生会と医仁会が経営継続の不可能な医療機関の運営をおこなうことによって業容を拡大してきた。城北病院はもともと個人病院だったのを武田理事長らの寄付によって医療法人財団として設立。宇治武田病院の全身は繊維メーカーのユニチカが経営していた株式会社のユニチカ中央病院で、運営を引き継ぐに当たっていったん廃止し、武田理事長の個人病院として開業した。グループ内の資本関係は病院ごとに異なる。
城北病院は近い将来、同じ医療法人財団の康生会と合併させる方針だが、すべてを一本化するつもりはない。現在もグループ内が3つの医療法人財団、一つの医療法人社団、2つの個人病院にわかれていることにとりわけ不都合を感じていない。むしろ、組織が大きくなることは必ずしも効率的な医業経営につながらないという考えが大きい。
大規模なグループ経営はスケールメリットが生かせる半面、もたれあいが生まれる可能性があることは確かだ。
2003年4月に業績悪化で株式会社から医療法人に組織改編した日本鋼管(川崎市)は、もともと親会社の大企業の一部門であったため、「職員の経営参画の意識が薄く、1人ひとりが経営を身近に感じられなかった」(同院)という弊害を生んだ。ユニチカ中央病院も同じ理由で経営が生き詰まった側面もある。