武  弘道   埼玉県病院事業管理者   
著書
「元気な赤ちゃんに育てるQ&A」小学館

「ふたごの話、五つ子の秘密」講談社

はじめに

 埼玉県立四病院の経営はこの3年間で57億円の収支改善をなしとげた。その上、医療の質は向上し、県民の信頼を得たため、日本全国の病院の患者が減少していく中で 10%を越す外来患者増となり、嬉しい悲鳴をあげている。 

公立病院の経営が短時間に良くなるものかという、全国の病院長達の冷ややかな目の中で、3年前に私は鹿児島から埼玉県に乗り込んだ。友人も親戚も1人の知り合いもいない埼玉県ではあったが、当時は全国知事会の会長であった土屋義彦知事から三顧の礼で頼まれたことを意気に感じ、「3年間で30億円の改善をお約束します」と言って、埼玉県立四病院の経営をひきうけたのであった。私が病院事業管理者(企業で言えば最高経営責任者)になることを頼まれた埼玉県立四病院はがんセンター、循環器、呼吸器病センター、小児医療センター、精神医療センターから成る.
平成12年度決算では115億円の繰入金(県庁からの負担金)を入れた上でなお3億円の赤字が出て、累積赤字額は23,8億円あった。それが平成13年度は8億円、平成14年度も8億円の黒字を出し、平成15年度の決算では89億円の繰入金で、15億円の黒字を出した。その結果、累積欠損は一掃されて逆に7.5億円の利益剰余金を出した。
 
やればやれるのである。それも人員のリストラなど1人もせずに、医療の質やサービスは向上を達成しながらである。「日本の公立病院は改革されねばならない」これが私がこの10年間、主張して
きたことである。公立病院は新方日の丸だから潰れる事はないと言う安心の中に、経営にまったく関心を持ってこなかった公立病院の職員は目を覚ましてほしい。国も地方自治体もその財政は生き詰まっているのだから。  

病院は変わりうる!

 私の鹿児島と埼玉での経験が全国の病院で働く人々を勇気ずけ、病院改革の動きが波及する
ことを期待して本書を著した。