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小樽市立2病院の統合新築を支持する立場であえて再論します〜2006年12月1日 小樽市立病院調査特別委員会の公表資料の問題点を指摘します』(長 隆)        

小樽市立病院

 2006年11月4日 北海新聞の新築問題報道は腰が引けていると批判しました。ところが12月12・13・14日の3日間連載で「点検新樽病計画」として長谷川綾記者が署名入りできちんと報道してくれました。(小樽版なので医療シス研のホームページに北海道新聞から提供されましたので上・中・下ご覧下さい)                                              
 @小樽市の一般会計健全化7年計画を 道が
OKしたようですが 総務省が修正したこの基本構想の甘さでは 起債に同意するとは到底考えられません。明日からやってくれということです。        

18年度で不良債務解消計画を担保できる経営体質に即できるならば格別ですが。

求められる利益を不適切な税金投入で赤字補填など論外な計画で信用されるわけがありません。

 総合の時代は終わった!規模が大きいこと, 全ての診療科が そろっていることを夢見て民間病院だけでなく自治体病院も頑張った時代が昭和32年以来今日まで永く続いた。不幸なことであった。競争に勝ち抜くため総合病院名称の許可を取り無理して産婦人科を開設した病院も多かった。法律と行政と開設者のお上への追随姿勢に問題があった。             

17科366床の総合的病院に各科に医師が2人必要・2人の医師で21床の病院で食べていけるわけが無い。8科に特化すれば2人の医師が50床を面倒見ることになり食べていける。小樽は外来部門は全て医師会に委託したほうが良い。医師不足の解消にも有効だ。                      

ただ開業医有利の診療報酬制度を大胆に改定しなければ 、勤務医の開業医志向をとめることは出来ない。開業しても1日の外来患者20人が良いところだろう。それでも年間収入(売り上げ)は 5000万円はいく。看護師と2人で勤務医の何倍も所得が得られる。    

政治と厚労省が劇的な政策変更を突然決断する日は近い。臨床研修制度が医師不足の原因でないと厚労省が言っているのはこの事がよくわかっているからである。後期研修が始まり自治体病院に医師が戻ると期待しても駄目な理由である

A建設費1平米あたり37万円を30万円に下げたというが話しにならない。公表されている建築主別単価は民間に比べて11万5千円高い。3万3千200平米だから更に38億円減額し118億円以下の工事単価でなければ同意されないのではないか


(参考記事)                                                

<自治体病院と経営努力 道央3市をルポ>下*室蘭*新築暗転 赤字雪だるま

2006.11.16 北海道新聞     

 石張りの床に吹き抜けロビー。院長室の隣にずらりと並ぶ副院長や医師幹部の部屋−。市立室蘭総合病院(二十科、六百九床)はホテルをほうふつさせる立派な造りだ。

 一九九七年、百七十七億円かけて新築移転した。その際、延べ床面積を一・八倍にし、脳神経外科、心臓血管外科など五科目増やした。武田吉行事務局長は「十年近くたってもきれいでしょう」と胸を張る。建物を傷めないよう、日三回の清掃に年一億円かけている。

 二○○五年度の累積赤字は九十四億四千万円。当初の償還計画では、六年目の○二年度に黒字転換するはずだった。

 どこで歯車が狂ったのか。新築後、患者は増えたが、○二年度に診療報酬が初のマイナス改定となり、受診控えが起きたのが響いたという。

 預貯金などの流動資産をすべて現金化しても払いきれない「不良債務」という概念がある。それが医業収益に占める割合の10%以上だと、医療機器購入などの起債が制限される。同病院は○四年度に13%を突破。○五年度は9・86%とぎりぎりの経営が続いている。

*調査不足が響く

 昨年十一月の病院会議室。砂川市立病院を道内有数の病院に育て上げた南須原浩一名誉院長(75)の姿があった。内部だけの努力では限界に感じ、「カリスマ院長」を座長に迎えた経営委員会。半年間の協議の末、経営改善の提言をまとめた。

 南須原名誉院長は「新築時に金をかけすぎた。民間病院の建設費のリサーチも足りなかった」と指摘。今更ながら「民間なら三割は安く作れた」との声が院内にある。人件費も高い。レセプト業務や清掃を市の第三セクターに請け負わせているため。経営委員会から指摘され、検討を始めた。

 全国六十の自治体病院の再建を手がけた東京の長(おさ)隆公認会計士は「吹き抜けの豪華病院は経営悪化する法則がある。医師給与や医療機器といった中身に投資できないから」と明快だ。

*患者の奪い合い

 市立病院から丘一つ越え、八百メートルほど離れた所に日鋼室蘭記念病院(二十四科、四百八十五床)がある。東室蘭の新日鉄室蘭病院と合わせ、人口十万人の室蘭には大きな総合病院が三つもある。

 日鋼は、優良病院を認定する「医療機能評価病院」の全国第一号。先駆的な取り組みで知られるが、ここ数年苦戦が続く。市立病院新築で診療科目はほぼ同じになり、患者の奪い合いが始まったからだ。市立側は「生き残りがかかっている」と対抗心を隠さない。

 日鋼の医師室に案内された。院長室がなく、他の医師と同じように机を並べる。コストにこだわる民間病院の経営努力を象徴する。

 実は市立病院新築の際、「民業を圧迫する」「市内の医療需要に合っていない」との批判もあった。それを押しての新築により、一般会計から年間約十億円を繰り入れてなお、膨大な赤字を積み重ねている。周到な経営計画の立案とコスト意識の徹底を図らなければ、容易に赤字の深みにはまっていく危うさを見た

*市立室蘭総合病院

 医業収益(消費税込み) 87億5,100万円

 医業費用(同)     92億2,000万円

 一般会計から繰り入れ  10億1,800万円

 単年度赤字        3億8,500万円

 累積赤字        94億4,000万円

 不良債務         8億6,200万円

 病床利用率       91.7%(一般病床は96.2%)

 人件費比率       52.4%

(2005年度決算)



(小樽ジャーナル紙は勇気ある報道をしている)
                                               

小樽市 “赤字隠し”失敗!不良債権先延ばし策へ!小樽ジャーナル(2006/9/17)

 夕張市の財政再建団体申請という“夕張ショック”が、巨額借金と2年連続の赤字予算で苦しむ小樽市の財政を、さらに大きく揺り動かしている。

 夕張市の事例から、小樽市でも“赤字隠し”が行われているのではないかと、国.道の調査が8月に小樽市役所に入った。このヒアリング調査で、小樽市のこれまでの会計処理が赤字を見えにくくしている不適切な会計処理であり、改めるように指摘された。この実質的な“赤字隠し”の是正の指摘を受け、小樽市財政部では、これまで累積赤字を見えなくしていた会計処理から、赤字額を表に出して不良債権.債務とする会計処理に改めることになった。

 これにより、小樽市の累積赤字額による不良債権.債務は約80億円にも及ぶことになり、市の標準財政規模310億円の20%であり、財政再建団体へのボーダーラインである62億円を超えている危機に直面することになった。現在、市では、この不良債権.債務を一挙に処理せず、年数をかけて処理し、財政再建団体への転落を防ぐ会計処理のための試算を懸命に行っている最中だ。

 バブル期に踊った小樽市のハコモノ行政の失敗で、市の借金は1,273億円もの巨費に上り、その元利返済に追われている。市は一般会計と他会計からの貸付と償還、繰入と繰出を反復し、その場しのぎの対応に懸命になっている。

 なかでも、一般会計から貸付けた病院事業会計の44億円と国民健康保険事業特別会計の32億円は、1999(平成11)年から2005(平成17)年までの7年間もの間、年度をまたいで一時借入金で貸付金を相殺するという、辻褄合わせの会計処理を繰り返していた。

 病院の44億円と国保の32億円の計76億円と、これに2年連続赤字予算の累積赤字15億円を加えると、市の不良債権.債務は91億円と大きく膨らむことになった。このうち、国保会計は、平成18年度は28億円でスタートし、余剰金が出るため平成18年度末では22.5億円までに減るとしている。平成18年度末でも、病院の44億円、国保の22.5億円、一般会計赤字15億円を加えた81.5億円を、表に出た不良債権.債務として抱えることになり、市財政を重く圧迫する。

 市は、これを一挙に処理すれば、直ちに財政再建団体へ転落の危機に直面することになることから、巨額の赤字、不良債務.債権を一度では処理せず、数年をかけ小出しに処理する方針。目前の財政再建団体転落への回避を図る、綱渡りの帳簿上の会計処理を続けることにしている。「クシャミひとつで財政再建団体入り」(市財政部磯谷揚一部長)する危機的状況の中での帳尻り合わせが続く。

 「国保会計は、医療費の抑制、収納率のアップ、保険料の値上げなどで、これからも経営改善が望めるが、問題なのは病院会計だ。新谷市政時代の平成5年度から5億円を貸付け、繰出金の他に毎年貸付金が増加して44億円になった。山田市政では、この44億円の貸付金を増やさないようにと貸付金はやめて、一般会計からの繰出金だけにした。これが毎年12億円から14億円ある。

 道から赤字が見えないと言われ、平成18年度病院会計決算で、44億を不良債務として赤字決算処理をする。しかし、病院独自では不良債務を減らす事は出来ず、44億円をいっぺんに処理することも出来ないので、一般会計からとなるが、いままでの毎年の繰出金にプラスアルファをして、何年かに渡って返済していく方法を試算している。

 平成5年から平成11年度まで44億円を貸付金として処理してきた。本来、繰出すれば良いのに貸付をした。病院はろくでもない息子だから経営改善は望めないし、親からの依存は好ましくない。新病院建設の起債では、道は赤字があっても協議に応じるとしているが、この点を一番危惧している。

 問題なのは、現在の実質公債費比率19.2%を、7年間で18%までに解消する計画を、来年2月までに総務省に提出し、今年の借金(起債)を認めてもらわなければならないことだ。このための試算を進めている」(市財政部長)と、切迫する危機の対応に追われている。

                                                 

(小樽市議会は 新築を承認したが引用記事のような批判が多い。不良債務完全解消・実質収益経常費用比率が100%以上の確実な収支計画がたてられなければ起債の同意は無理であろう)                                                                                               

市民不在の新樽病建設!「市民フォーラム」で市に渦巻く不信!小樽ジャーナル(2006/8/19)

 市立小樽病院.鈴木隆院長は「医師は過酷な勤務状況にあり、緊張が続き、退職を申し出た医者もいた。老朽化で新しく建てることを諦めて退職した医師もいる。昨年春から建てる,建てると言っても、一向に青写真が来ない。建てないので見切りをつける医師もおり、待ってもらっている医師もいる。これ以上待てないので、5年後に延びることは病院崩壊となる」

 小樽市総務部.吉川勝久参事は「建物が老朽化しており、築港地区で早急に建設する必要がある。早急に建設しなければ医者の散出で病院機能が崩壊し、多大な市民負担が掛かる。今44億円の赤字を抱えており、医者が抜けると毎年10億前後の負担がかかる。今新築しなければ、医者はどんどん減る。医者の散出で病院機能が崩壊し、多大な市民負担が掛かることになる」と述べたが、司会者から「老朽化、老朽化と言って、まだ出来ていないのは、誰の責任なのか。行政の責任ではないのか」との指摘に、会場からは一段と大きな拍手が起こった。

 中小企業診断士.庄司俊雄氏は「市の説明は焦点をずらしており、説明になっていない。今の小樽病院と築港とを比較すべき。市は創造性も方向性もない。誰も建てるなとは言っていない。築港ではなく、今の場所に建てるべき。築港は、埋め立てで危険な土地だ。市立病院は、地震や災害があった時に、一番安全なところになくてはならない。災害があって、市内がやられても、市立病院は安全だったということが必要。築港地区は埋立地で、埋立地は液状化現象で恐ろしい。築港の後ろは崖で集中豪雨や津波に対応出来ない。こういう場所に建てるのは、市立病院の本来の意味から外れている。市の計画は創意工夫も知恵も何も感じられない」

 小樽市医師会.高村一郎理事は「市と医師会の話し合いは疑問で、無駄だったと感じている。市の事務局は、医師会と協議しているというが、これは間違っている。市民に困っている実態が伝わっていたのか。残念なことに市議会議員でも実情が分からないと言っている。市は、議会.市民に説明する責任があったのに、十分に説明してこなかった。15年前から期待していたが、病院よりマイカルを優先しここまで市が遅らせてきた。建て替えても独立採算にして毎年11億円の赤字を補てんしない方法や民間に売ってしまうこともあり得る。いままで通り、無責任に病院を経営させろという市は虫が良すぎる。無理に経営効率の悪い市立病院として維持する必要はない。市の経営は、皮算用だけを示すだけで収支改善の根拠は示せない。漫然とした経営は、これまでの市立病院の経営を反省した上でのことか。産婦人科、小児科の復活はあり得ない。小樽の現状にふさわしいように基本構想を見直す必要がある。市は、マイカルはじめ箱物で失敗してきた。市の建て替えは、財政的にも良くない。医師も確保出来ると言っていることに疑問がある」と鋭く指摘した。

 市立第二病院.馬淵正二院長は「医師の立場から言うと、新病院はなんでもやるのではなく、診療目標というか、ガンと脳と心臓とか旗印を持って、戦術的な柱を持って、それに打ち込んでいったらどうか。ガン.脳卒中.心臓疾患の3つを対象にした新病院を建築すべきだ。なんでもかんでもやるのは時代遅れで、新病院は特化した診療をすべきだ」と市の総花的構想を批判した。

 小樽市医師会.津田副会長は「新病院の救急医療体制はどうなっているか、2次救急を新病院が受けてもらえるか、市から産科婦人科、小児科もなくなって、お産するのも、子供が入院するのも協会病院となっている」と協会病院頼りの市の医療体制に危惧を示した。

 また、基本構想についても、様々な疑問点が上がった。中でも市の吉川参事が「市立2病院の意見をベースに市長の判断でやった」と述べたのに対し、小樽市医師会.津田副会長は「吉川参事の意見とは違う、会議の主導は、準備室や事務局長でやっていた。医師会との話し合いに、院長が出て来ないで事務局長が出て来たのは事務局主導ではないのか」と、市のこれまでの手法に疑問符を投げ掛け、「基本構想をつくる段階で、地域の医療関係者の声を反映させるような基本構想を作るべきだったのではないか」と指摘した。

 市の建設r部.嶋田部長は「築港の危険な土地に建てるのではないかということでは、建物を建てるにはボーリングして、建築基準法に沿って建てる。地下7m10mに硬い地盤があり、そこに穴を掘って、杭をうち固定する。液状化は埋立地だけでなく、砂地ならどこでも起きる。津波も昭和6年から平成17年の74年間で最高潮位は162cmしかない。小樽の地震の確率は0.1%以下と証明されており、全国的にも低い。震度7弱に対応しているので、安心して頂けるだろうと思う」と反論した。

 司会の相内教授は「市の話を聞いていると、どうやっても樽病がうまくいかないという前提ではないか。きちんと方針が立っていない。建てることは決めた、経営はこれから考えるというのは、おかしいのではないか」