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国立大学マネジメント研究会発足

自治体病院の院長・管理者は、病院運営の最終責任を負う一時代となった。従来の様な経営責任は、知事・市長が負う二階建て方式では無責任経営を改めることができない。表記研究会を参考にしたい。




日本経済新聞 2005年8月15日
国立大 経営能力磨け


専門家育て幹部に登用

         外部人材の活用も課題

89の国立大学法人をみると、学長は全員教員出身である。学長を補佐する理事403人のうち259人も教員出身。企業などから起用された理事は80人(20%)いるが、8割強は非常勤で、せっかくの外部人材を十分活用していない。文部科学省出身者は64人(16%)。
 理事は学長の支持を受け、6年間の中期計画に沿って、担当分野の基本方針や施策を企画・立案し、事務部門を指揮して必要な業務を執行する。学部や研究所、付属病院にも事務部門が置かれ、学部長や病院長が運営責任者となっている。財務や入試などについて全学的方針を審議し、意見調整を行う全学委員長会も、委員の大半は教員だ。
 要すれば、法人化後の国立大学の経営の中核は、教員で構成されていると言ってもいい。
 大学は教育・研究機関であり、教員がトップに立ち、理事の3分の2を占めるのはある意味では当然だろう。しかし教員は経営の専門家ではない。限られた経営資源を重点的に配分する決断を下し、労務対策を行い、有事の際適切な危機管理を行うという意味での経営能力が、教員であるというだけで先天的に備わっているわけでもない。東京大学教授から日本テキサス・インスツルメンツ社長に転じ、業績をあげた生駒俊明氏(現一橋大学教授)は稀有の例外である。
 国立大学も東大、京大クラスになると、予算は1千億円から2千億円、教職員も常勤・非常勤合わせて1万人前後、学生数も2万人から3万人、さらに主キャンパスだけでも3箇所、演習林や防災観測施設などは全国に数十箇所展開している。生体肝移植など高度先進医療を行う付属病院もあれば、原子炉や高度情報インフラもある。
 非公務員化された教職員の給与水準の設定や人事制度の設計も課題であるし、毎年財務諸表を作成して、財務分析を行い、財務計画を立案しなくてはならない。職員組合との団体交渉も多くの時間と労力を要する。
  規模の小さな大学でも、外部資金調達など課題は多い。
 こうした大学を動かし課題を解決していくことは、素人やにわか経営者が容易にできることではない。「武士の商法」ならぬ「学士の商法」に堕ちいる危険が多分にある。
 そのような事態を回避し、社会の求める国立大学を実現するには、学長や理事に、経営能力を高めるための不断の努力が求められる。
 現状は、幹部職員には国家公務員時代の前例踏襲主義が色濃く残り、仕事ぶりにコスト意識やスピード感が欠けている場合が多いし、若手・中堅職員にも使命感や目標意識があまり感じられない。


経験学ぶ研究会

 今年4月、志を同じくする国立大学の幹部職員とともに「国立大学マネジメント研究会」を設立したのは、このような状況を憂え、研究会・交流会を通じて互いの経験やノウハウを交換し、企業や先進的な私立大学の経験に学んで経営能力を高めることの必要性を痛感した。