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医療経営財務協会 理事 木下 弘宣

2005年8月10から11日にかけて京都国際会館で行われた医業経営コンサルタント協会の第9回研究発表に参加して所感を記す。

 二日間に1800人を越す参加者を数え、中でも協会会員が二日間を通して600人以上(延べ1200人)という盛況ぶりは、大会始まって以来の大会に対する現会員達の関心の高さを見せた。これはとりも直さず、昨今の医療を取り巻く状況の変化が如何に激しく急速なものかを会員達が強く意識し、どのような対応策があるのかを模索していることを如実に示す現象と言えよう。
 二日間の最後に中坊公平氏による特別講演があってこそ大会全日程が引き締まったような感を覚えたのは、僕だけだったのか。当然の事と思われている事柄が当然で無い場合が多々あるのは昨今の社会風潮ではないか?中坊氏は厚生労働省並びに医師をはじめ全ての医療関係者が改めて医療の原点に立ち戻って、我が国の医療が本来の姿を取り戻す為に人づくりから始めることを進言したのである。そして、現場に立脚した”医”の心を持つ人づくりこそが我が国の医療を将来にかけて健全かつ安定的に展開し、国民全員が安心して医療を受けられるようになる根本要因であるといわれたのだ。まさに医業経営コンサルタント一人一人が肝に銘じるべき事柄である。
 また、二つのシンポジウムを通して浮き彫りになった共通点は、国民が安心して受けられる医療が公営であり続ける必要があるのか、或いは民営化が好ましいのかという選択肢が医療界に突き付けられている事実である。自治体病院の九割が一般会計からの繰り入れ金無くしては財政的に破錠状況あり
国公立大学付属病院の健全経営が全く目処の付けようも無い事が明らかにされたと言えよう。
 つまり、現在の我が国において、国民の健康を守るために国公立の医療施設がこのまま必要とされるのか否かが問われているのである。郵政民営化が取り沙汰されている事と無関係では無いのである。民間に出来ることは民間に任せる時期にきているのである。言い換えると、戦後の高度成長以来我が国の民間医療施設は十分に成長し、国公立施設に出来て、民間医療施設に出来ない医療があるのか?では、同じ医療法の下で均一の診療報酬に基づいて医療を施しながら、民間医療施設では健全経営が出来て、国公立の医療施設が経営破錠しているのは何故か?これは、我が国の医療界が制度自体を構造改革しなくては解決しようが無い問題であることを物語っているのである。


 今こそ医業経営コンサルタントが果たすべき役割を、医療の原点に立って捉え、我が国固有の保険制度に基づいて国民が安心して受けられる医療体制を構築する為に医業経営コンサルタント一人一人が自覚を高め、利益追求型で無い健全な医業経営に貢献するときである。京都で開催された第9回研究発表大会は、この命題を改めて浮き彫りにした大きな意義があると言えよう。大会の開催に当たり、苦労された関係者各位に敬意を表する次第である。