(社)全国自治体病院協議会【事務長部会研究会 プログラム】
日時:平成18年6月1日(木)・2日(金)
会場:日本都市センター会館 5階 オリオン
| 6月2日(金) |
| 時間 |
演題・講師(敬称略) |
8:45
10:00
10:05
12:20
12;30
13:00 |
講演 「自治体病院運営の実態〜民間病院との比較を踏まえて〜」
講師 前 釜石市民病院 事務長
医療法人喜峰会 東海記念病院 事務長 藤田 良三
グループ討議オリエンテーション
グループ討議
休憩
グループ討議 まとめ
閉会 |
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◎参考・MMRC 2006.APRIl 1小山田 惠会長のInterviewの記事です。
Interview
全国自治体病院協議会 会長
岩手県立病院 名誉院長
小山田 惠
統合・再編に臨む自治体病院の経営改善
やれば成果は1年で出る |
自治体病院は総じて赤字体質であり、全体として1.6兆円の累積赤字をかかえている。この重圧に耐えかねるとみてか、厚生労働省は公益性の高い「社会医療法人」の制度を設けて、代役か経営の受け皿にしようと目論んでいる。果たして数ある自治体病院を健康体に戻せるのかを問うてみたら、やれば1年で結果が出るとの答えをいただいた。自ら県立病院を院長を経験し、 現在は県立全病院の名誉院長の座にある小山田惠氏に自治体病院の経営改善策を語っていただいた。
県立病院と市民病院の統合
ー先生の地元、岩手県釜石市にある県立病院と市民病院が2008年に統合されると聞いております。同じ自治体病院といっても県立と市立の統合はまだ例が少ないのですが、どういういきさつでしょうか。
小山田
私は統合の議論に直接かかわってきましたので、両病院の事情はよく承知しております。発端はと言えば、かつて10万を超えていた人口が今では4万3000人、そこに公私4病院があって、県立(272床)と市民(250床)の同規模病院が存在しているということです。ともに医師不足、経営状態も良くないとあって、3年前に市議会で問題になり、1つでいいのではないかということで統合案が浮上しました。
ースムーズな統合は可能ですか。
小山田
勿論思惑はそれぞれにあります。市側からみると、県にイニシアチブを取られ県立に吸収されてしまうのではないか、県側からみると、県立病院は27もあるのだから合併の必要はないし、また釜石市に迷惑をかけているわけでもないのに、となるのです。
ー両方とも自治体だからかえってやりにくいのでしょう。
小山田
県民、市民サイドから考えると、医療(経営)が成り立たなくなるのでは困りますから、病院対病院でなく、知事と市長が大きな立場から考えて判断しなければいけない、ということでした。
県立病院のネットワークの下で
ー統合・一本化、しかし病院は2つという方法もあると思いますが。
小山田
1つでやっていけるということで、市民病院を県立に移管し、残った施設は診療所にすることにしました。その後、市民病院は公設民営の形で民間に委託し、療養・介護の分野で運営する方向で話が進んでいます。いずれ民間移譲ということもあるでしょう。
ー医師をはじめ職員はすべて県立に移行することになりますか。
小山田
すべて移行ではありません。医師でいうと、市民病院は東北大系、県立は岩手医大系になっていて、外科と脳外科は既に県立に移りましたが、あとは大学に医師を引き上げられました。これは合併に伴う大きな問題の1つで、実につらいことです。
ー統合を可能にする条件は何ですか。
小山田
すべて移行ではありません。医師でいうと、市民病院は東北大系、県立は岩手医大系になっていて、外科と脳外科は既に県立に移りましたが、あとは大学に医師を引き揚げられました。これは合併に伴う大きな問題の1つで、実につらいことです。
ー統合を可能にする条件は何ですか。
まず、ひとつの自治体病院で医療が完結することはないので、連携ーネットワークを作ること。その意味で市民病院単独経営や県立を市立に移管するよりも、27病院ある県立のネットワークを活用する方が有利です。質が落ちてはいけないことは言うまでもありません。また職員の身分保証と確保、従って職員の満足度を高めるものでなければなりません。
医師不足・経営不振は共通
ー高知県で一年前に県立と市立が合併して、高知医療センターが発足しました。こうした例はまだほかにも出てくるのでしょうか。
小山田
同じ地域に自治体病院が複数あって、県立・市立だけでなく、町村立病院も存在し、しかも医師不足・経営不振に、見舞われているという現象は、各地で発生しております。再編統合は不可避です。
ーたとえば。
小山田
山形県では県立日本海病院と酒田市立病院の例があります。県立が赤字経営で市立が黒字。市が買い取ろうという案もありましたが、県知事が交代したために、状況ががらりと変わりました。
やはり知事と市町が2人で話し合って、県民・市民の立場でいかにいい医療をするかを考え、そのうえで運営形態をどうするかを検討するように助言しております。県立か市立かだけでなく、一部事務組合で運営するとか、独立行政法人にする方法もありますから。県・市で協議会を発足させ、原点に戻って検討し、答申を得ることにしています。
統合なしでは成り立たない
ー全国の自治体病院はおしなべて経営難に陥っています。打つ手はやはり統合ですか。
小山田
一般会計から繰り入れてもなお赤字。累積欠損は1.6兆円にのぼっている。原因はやはり医師不足と経営力が弱体なことですから、再編・統合がないと成り立っていきません。
ーそれでも多くの自治体は再編統合を潔しとしていないようで。
小山田
「再編統合」を掲げたのでは選挙に敗れますから。「医師確保に全力を尽す」と知事たちは言いますが、成果が上がらないことは目に見えています。知事の意を受結果はけて職員は大学回りをしているようでも、出ていません。
全部適用・非公務員型で
ー自治体病院のマネジメントを考えた場合、どういう方式が現実的だと思いますか。
小山田
開設から1年を経過したばかりの高知医療センターの例が示すように、一部事務組合による運営は容易ではありません。管理者にどのような権限を与えるかがポイントで、まず「全部適用」を考えるべきでしょう。独立行政法人にする手もあいますし、指定管理者制度、つまり公設民営も考えられます。どちらも良いかは個々の自治体病の置かれた状況によります。
独立行政法人、公設民営も
ーそれぞれの方式の特長は。
小山田
形式的には、全部適用であれば、管理者に相当な権限が賦与されますから、事業管理者として法的には完璧ですが、実際には半分はうまくいっていない。権限移譲をしていないか、させないからです。独立行政法人はトップの責任が明確ですから、経営がうまくいく可能性があります。ただし、公務員型にすると全部適用の自治体病院とほとんど変わりませんから、非公務員型が望ましい。
ー職員の身分安定となると、公務員型を選ぶことになるのでは。
小山田
公務員型が悪いかというと、そうでもない。国立病院機構の経営改善を見れば明らかです。一方、国立大学病院のように非公務員型の大学法人にしても、大して効果が上がらない場合もあります。大学の体質が経営に向いていないというケースや、経営のプロでない外科の教授が病院長というケースもよくないでしょう。
-指定管理者制度はどうですか。
小山田
自由度が高いし、一般会計からの繰り入れも可能ですから、選択の対象になります。問題は公的医療の質が担保できるかどうか。不採算部門の切り捨てでは困りますから。第三者を入れた評価機構を設けて、機能を果たしていると評価されれば、公的医療を担っていけるでしょう。
成果が出なければリーダーを代える
ー4月には大阪府立病院が独立行政法人の公務員型で再スタートします。
小山田
まだ計画書がでていないので、よくわかりませんが、いま60%台の人件費を50%台に下げられるかどうかがカギとなるでしょう。1年たって成果が上がらない、さらにもう1年やってもうまくいかないなら、ダメです。
ー自治体病院の赤字体質は結局、どうすれば改まりますか。
小山田
赤字を出しても責任を取らなかった取らせなかったのがけない。民間病院ではありえないことです。結局はリーダーによりますから、1年か、もう1年様子を見て、ダメなら辞めてもらうしかない。
非効率の診療科は即閉鎖
1年や2年で経営改善ができますか。
小山田
1年、長くても2年で改善できますか。
小山田
1年、長くても2年で答えは出ます。既に改革の教科書はあります。医師はいくら努力しても集まらないのですから、増やすことを考えてはいけない。まず経営計画を立てて無駄を徹底して削る。医師1人当たり1億円程度の医業収入がないと原価割れになります。3000万円程度の診療科では、医師の給与分もでないのですから、即、閉鎖するか、非常勤に切り替えるべきです。
ー自治体病院でそれは可能ですか。
小山田
生き残るためにもう少し繰り入れをして欲しい、というならばそれでもよし。その代わり、職員を市に返上して、2年後には目標を達成したら存続、管理者留任、全部適用にして下さい。と市長との約束をしておけばいい。指定管理者制にするのも一案です。
半年で赤字から黒字に転換
ードラスチックな考え方ですね。
小山田
岩手県立病院の例で申しましょう。職員は良く働きますが、稼動率は85%程度、年間5億円の赤字を出していました。そこで、半年を通じて稼働率が85%なら、730床×100分の15(=109.5床)その分職員を配置しておかなければならないどで、ざっと50床(1病棟分)を閉鎖し、配置職員を半分に減らせば、5億円ぐらいの赤字はすぐに解消してしまうはずだ、と実行してみました。
ーその通りに実行したんですか。
小山田
病院長や職員は怒りました。ひどい時は病床を110%も稼動させている。土・日には患者が帰宅するから平均稼働率は下がる、云々と。これは管理能力不足である証拠。先生が病院長の時はどうだったのか、とやり返されましたが、突き通しました。
ー結果は?
小山田
次の月から稼働率は93%、半年で成果が出て、2005年度は8億円の黒字を出しました。
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