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JAPAN Medicine 11月21日 
特定医療法人の税制の行方(1)→こちら
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改正要望から読み解く

特定医療法人の税制の行方
東日本税理士法人 税理士 田村 信勝
(4)
一概に喜べない今回の要望
   公益法人には近づくが・・・・

 ◎仕入れ税額控除の特例は
 今回の税制改正要望が通った場合、特定医療法人は限りなく公益法人に近づくことになる。その際に疑問に思われるのが消費税の取り扱いである。
 公益法人についても一般の医療法人と同様に、課税資産の譲渡を行った場合には消費税の納税義務を負うが、公益法人の特殊制に配慮して特例規定が設けられている。
 公益法人は通常、利益を度外視した事業を行っているので、その財源は補助金、交付金、会費、寄付金など耐価性のない収入で成り立っている。
 公益法人が、こうした対価性のない収入を基に行った課税仕入れの税額につき仕入れ税額控除を、認めてしまうと、補助金などの収入が多い公益法人は補助金を収入できるばかりか、設備投資などについての消費税の還付が受けられることになってしまう。
 一般企業と比較して非常に不合理となるので、公益法人については仕入れ税額控除できる金額を制限する特例が設けられている。
 医療法人は、公益目的と営利目的との中間法人としての位置付けになるので、消費税で、消費税法上、普通法人と同様に取り扱われる。
 よって、仕入れ税額控除の特例の適用はないが、今回の税制改正要望が通った場合、公益法人に限りなく近づくことになる。各種の優遇措置を認める代わりに、消費税について仕入れ税額控除の特例措置が適用されることになると、消費税について増税になる可能性も考えられる。

 ◎おわりに
  2006年度の税制改正要望で初めて、これまで4回にわたって述べてきた要望が厚生労働省から提出されたわけだが、法人税非課税とみなし寄付金以外の要望は、特定医療法人に対して寄付をした者に対する優遇税制となっている。
 これらの寄付に関する要望については優遇措置であると考えられるが、公益性の高い医療保健業に対する法人税の非課税と、みなし寄付金制度の創設は特定医療法人にとって増税となる可能性もあるので、一概に喜べる税制改正要望ではない。
 それよりも、1984年から提出している医療法人の法人税率軽減と、特定医療法人の法人税非課税の要望を先に通してもらいたいものである。


公益法人等の仕入税額控除の特例


普通法人の場合 
(1) 消費税額 50,000円×5%=2,500円
 (2) 控除対象仕入税額 157,500円×5/105=7,500円 
(3)  納付税額   (2)−(3)=−▲5,000円(5,000円の還付)

公益法人の場合
(1) 消費税額  50,000円×5%=2,500円
(2) 控除対象仕入税額 157,500円×5/105−141,750円×5/105=750円
(3) 納付税額   (2)−(3)=1,750円