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Japan Medicine 10・17

国税庁審理室は7月28日に「出資額限度法人(医療法人)に関する質疑応答事例について」と題するQ&A形式の通達を出した。通達は3点の疑問に対して回答する形をとっている。東日本税理士法人の吉田久子税理士に、3回にわたって今回の通達の意味を解説してもらう。
寄 稿 出資限度法人の課税関係
国税庁通達を読む
東日本税理士法人 税理士 吉田久子
続 国税庁通達を読むは→こちら  続 国税庁通達を読むは→こちら 
●出資額限度法人 (医療法人)に関する質疑応答事例について
(2005年7月28日国税庁審理室情報第2号)

【問1】 A医療法人は、出資持分の定めのある社団医療法人であり、甲一族の6人が社員及び出資者となっている。A医療法人では、将来、社員に相続が開始した場合に備えて、定款を変更して出資額限度法人に移行することとしているが、出資限度法人に移行しただけでは、社員が退社して出資額の払戻しを受けた場合に残存出資者に贈与税などの課税が生じるおそれがあるため、親族以外の者に社員及び出資者となってもらうことを考えている。この場合、A医療法人の医師・看護師である従業員5人、理事長の知人5人が増資に応じて出資持分を取得したときの課税はどうなるか。

【国税庁の回答】 出資限度法人の増資に伴い、既存の出資者以外の者が出資持分を取得した場合で、取得した持分の価額のうち出資額を超える部分については、事実関係に応じて所得税又は贈与税の課税が生じることとなる。

みなし贈与」回避へ増資も
第3者の出資には課税

【吉田税理士の解説】 2004年6月16日に国税庁から、持分の定めのある医療法人が出資限度法人に移行した場合の課税関係が回答された。その時は移行時や退社時・死亡時の課税関係は回答されたが、新たに入社して出資する場合などは回答されなかった。
 このたび05年7月28日付でそのような場合の課税関係が明らかにされたので、解説したい。
 出資限度法人に移行したとしても、@同族出資割合が50%以下A同族社員割合が50%以下B役員などの同族割合が3分の1以下と定款で規定C役員などへの特別の利益供与なしーの4要件を満たさない限り、出資社員の退社時または死亡時に、残された出資社員に対して「みなし贈与課税」という贈与税がされる。
 このみなし贈与課税がされないようにするためには4要件を満たす必要があるが、その場合、新たな出資を親族でない第3者にしてもらわなければならない。その新たな出資をする場合にも、課税が生じるという回答がされたのである。
 同族医療法人(親族が中心となる医療法人=現在の医療法人のほとんどがこちらに該当する)であれば、出資額限度法人になっても個人に税金が課税されてしまう。同族でない医療法人になるために、親族でない人に出資してもらおうとしても、それはそれで課税されてしまうのである。


 出資額限度法人は、いつか何かしらの課税が生じる制度ということが明らかになった。前にも後ろにも進めず、ひたすらじっと待って、いつか誰かに課税されるのである。
 こうなると、特定医療法人(持分の定めのない社団)へ移行するしかないようである。