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京都自治労連の新大江病院 再生への 協力に敬意を表します。 
民営化後2年待遇も大幅に改善されています。 私が労働組合は改革の最大の協力者と言い続けてきた事は間違っていなかったのです。
(長 隆)
新大江病院

 
 自治体病院と地域医療を考える・・京都での動きと取り組みから
2006/10/22 第8回地方自治研究全国集会・レポート 京都自治労連・山本裕)

町立大江病院の公設民営化・職員解雇に反対し、地域医療を守る取り組みから  町立大江病院(一般病床三六床、療養型三六床)は、府北部の病床不足地域にあって地域医療を守る重要な役割を果たしていました。この病院について、大江町長は04年9月末、突然、05年4月から公設民営にするという方針を発表しました。

内容は、「町が医療法人を立ちあげ、指定管理者制度で公設民営化する。同時に病院の医療職員は、いったん全員解雇(分限免職)して、医療法人に再雇用する」というものです。この背景には、中丹地域1市3町の合併問題があり、福知山市長は合併後二つも病院はいらないという態度をとるなかで、町長は合併を進めるための条件整備として公設民営を持ち出してきました。総務省の地方公営企業アドバイザーとともに、京都府がこれに協力してきました。

これに対し京都自治労連としては、今後の地域医療と自治体職場全体に重大な影響を与えるものと位置づけ、大江町職・中丹地協とともに全力で取り組みました。地域的には、公設民営化・職員解雇(分限免職)方針の主要な要因である、中丹一市三町の押しつけ合併そのものを跳ね返す運動(住民投票の実施を求める直接請求・町長リコールの成立など)と一体のものとして取り組み、台風災害を乗り越えて実施された町長選挙では、「合併問題も病院問題も、住民の声が生かされる町政の実現」「町長選挙の勝利で、病院の民営化をいったん白紙にすること」をめざし、「直営での病院改革の提案」を提示して闘いました。

選挙の結果、病院の公設民営化・職員解雇を食い止めることはできませんでしたが、「病院の民営化後も、これまでの医療水準を維持・発展させる方向性を確認させたこと」「再雇用となる職員の労働条件は、基本給の大幅な切り下げが発生しましたが、労働条件の更なる改悪に一定の歯止めをかけたこと」「民営化後の労働組合組織は、大江町職・新大江病院分会(新大江病院労働組合)として活動を継続することを確認し、医療法人との労働協約を締結したこと」など、今後につながる新たな到達点を築くことができました。一方、現地での当局動向がマスコミ報道の直前まで判明せず、住民的立場からの地域医療の充実や病院改革の提案などの対応が大きく立ち後れ、議会の力関係を変えるまでには至らなかったことなども教訓の一つです。

公設民営化後の大江病院の運営は、地方公営企業法の適用外とする方式をとるため、病院運営等についての国からの交付税措置がなくなるとされていました。地方公営企業法第三条では、「企業としての経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営しなければならない」としていますが、「公共の福祉を増進する」ための国からの財政的措置を自ら放棄したことになります。(これへの批判に対して本年3月、国・総務省は方針を修正し、一定の条件を満たせば交付税措置を行うと通知。)

公設民営化後の大江病院の状況は、施設整備がすすみ夜間診療の開始など住民要求を一定反映した運営が行われ、病院財政は黒字になっていると言われていますが、これは、民営化時点で町当局が多額の財政投入を行ったこと、また、職員給与を大幅に引き下げたことなどによるものと考えられます。

今後、医療制度改悪の進行や、合併(2006年1月1日)で病院の開設者となった福知山市の公的責任放棄などのもとで、病院運営が困難となり医療水準の低下の危険もあります。引き続き、地域医療充実へ自治体の公的責任の発揮を求める運動が重要となっています。また、給与等の大幅な引き下げのもとで、医療専門職の確保に困難が生じており、人材確保の観点からも賃金・労働条件等の改善が求められています。