病院再編、厚労省助言へ 「重点区域」を全国数十カ所設定 過剰ベッドの削減推進 2019.07.04

2019.07.05

病院再編、厚労省助言へ 「重点区域」を全国数十カ所設定 過剰ベッドの削減推進
2019.07.04



 厚生労働省は3日、各地の病院の機能分化や再編、統合を促し、過剰なベッドを削減するため、「重点的に支援する区域」(重点区域)を全国に数十カ所設定し、自治体に直接助言する方針を固めた。これまでは各地の自治体や医療関係者らの議論に委ねていたが、需要に合わないベッドが減らない見通しとなっているため。厚労省職員が各地を訪問し、地元の議論を後押しする。

 

 2025年には団塊の世代が全員75歳以上となり、医療や介護の費用が大幅に増えることが予想される。このため政府は、25年の医療需要を把握し、効率的な医療提供体制の構築を目指す「地域医療構想」を都道府県ごとにつくるよう法律で定めた。高齢化や人口減少に合わせて重症患者向けのベッドを減らし、需要が高まるリハビリ向けを増やす考えだ。

 地域医療構想では、複数の自治体単位の「構想区域」(全国339カ所)ごとに行政、医療、介護業界の関係者らが集まって議論している。しかし、病院がなくなることに反対する住民や慎重姿勢の首長も多く、構想通りに進まないケースが目立つ。国が各地の協議で助言し、議論を加速させる。

 重点区域の数十カ所は、県庁所在地や政令市、中核市を含む構想区域が中心になる見込み。厚労省職員が訪問し、病院ごとの治療実績をデータ分析し、再編や統合に関する相談に乗る。

 公立病院と日赤などの公的病院については、厚労省が治療実績が少なく、再編や統合の必要性について議論が必要な病院を早ければ7月中にも公表することを既に決めている。

 厚労省によると、全国のベッド数は18年で124・6万床だが、25年に必要なのは5・5万床少ない119・1万床。25年の必要数と比べると、18年の124・6万床のうち救急治療や手術を行うベッドは19・7万床が過剰で、リハビリ向けは20・4万床足りない。

 

 【地域医療構想】団塊世代全員が75歳以上になる2025年を見据え、将来必要な医療提供体制を効率的に整備するための取り組みを都道府県がまとめたもの。地域医療・介護確保法に基づく。都道府県内を複数の自治体単位の「構想区域」に分け、必要なベッド数などを推計。病院や診療所のベッド機能に応じ(1)集中治療が必要な重症患者向けの「高度急性期」(2)一般的な手術をする「急性期」(3)リハビリ向けの「回復期」(4)長期入院の「慢性期」-に区分。ベッド数が過剰な場合は他の機能への転換や削減を促す。【共同通信 秋田魁新報】