北見日赤の吉田院長 今月退任*医師確保、建て替えに奔走*道立病院と協力 治療の質向上

2019.03.05

北見日赤の吉田院長 今月退任*医師確保、建て替えに奔走*道立病院と協力 治療の質向上
2019.03.01 北海道新聞 


 北見赤十字病院(北見日赤)の吉田茂夫院長(69)が定年のため3月末に退任する。2008年の就任以来、病院の建て替えなどを進め、地域医療の質の向上にも努めた。退任に先立ち北海道新聞の取材に応じ、11年間の在任中の取り組みや同病院の今後の課題について語った。(和賀豊)

 --就任直前、内科医5人が一度に退職し、病院は危機的状況でした。

 「当時、病院機能はかなり低下していました。オホーツクのセンター病院として何とかしなければと医師確保などに走り、閉鎖されていた内科・総合診療科を08年6月に復活させたことが最初の大きな仕事でした」

 --院長在任中、最も印象深い仕事は。

 「建て替えですね。就任早々、院内に『新病院建設準備室』を設置し、14年12月に今の病院施設を開業しました。病院は地域の社会資本。オホーツクの全市町村から費用を出してもらい、備える機能も住民の皆さんと議論して決めました」

 --18年4月、管内で唯一の心臓血管外科がある道立北見病院の指定管理者となりました。これも「地域の社会資本」を維持する大きな出来事でした。

 「道立病院には北見日赤にない技術があり、お互い協力して医療を行うことがいいと考え、指定管理者を引き受けました。実際に一緒になったらすごくいい。道立病院には血管を縫える医師がいてこちらに来てくれるし、向こうの手術にこちらから内視鏡手術ができる医師を送ることも容易になった。以前だったら亡くなったと思われた人が、何人も助かっています」

 --今後の北見日赤の課題は。

 「間もなく人工知能や遺伝子治療を導入した、新たな医療の時代が来ます。北見日赤もこれらを提供する役割が求められるでしょう。ただ、実現には医師ら人材の育成や最新の医療機器が必要。資金も膨大にかかり、簡単ではありません」

 --医師らスタッフ不足も懸念材料です。

 「現在の北見日赤の医師は111人ですが、あと10人ほど足りません。医師から選ばれる病院になるため、労働環境の整備に取り組んでいます。今後、医療スタッフを日本人だけで維持できないことも予想されます。海外と双方向の人材交流など、国際化の取り組みが急務です」

 よしだ・しげお 1949年、登別市生まれ。73年に札幌医大を卒業。専門は循環器内科。同大助教授、道保健福祉部保険医療局長、道立衛生学院長などを歴任し、2008年4月から現職。在任中は昭和大や札幌医大と、医師らの人材育成に関する協力体制を構築し、糖尿病などの専門医も増やした。