「救急医療 困難に」 奥州の水沢病院 新院長に菊池副院長 来月1日付 先行きを懸念

2019.01.01


「救急医療 困難に」 奥州の水沢病院 新院長に菊池副院長 来月1日付 先行きを懸念
2018.12.27 



 市立病院の移転新築計画を巡り、院長が年内で退職する奥州市の総合水沢病院(145床)の新院長に、菊池淳副院長(64)が昇任する。市医療局が26日、院長ら4人の人事異動を内示した。菊池副院長は同日記者会見し、相次ぐ医師退職で救急車受け入れが来春から困難になる懸念を表明。同病院の小児科休止で混乱する胆江地区の医療は救急も大きな課題を抱えかねず、菊池副院長は医師招聘(しょうへい)を図る上でも新病院整備の意義を強調した。発令は来年1月1日付。

 菊池副院長は同市水沢大手町の同病院で会見し、一連の混乱を「地域の皆さまに心配をお掛けし申し訳ない。医療体制立て直しに努力する」と謝罪。内科医が現状の4人から半減するため「救急医療を担うのが極めて困難な状況だ。一時的に救急車受け入れを停止せざるを得ない事態が想定される」と懸念を示した。

 市医療局によると同病院は1、2次救急を行い、救急車で胆江地域の約2割に当たる904人(2017年度)を受け入れている。停止すれば県立胆沢病院などの負担が増しかねない。奥州医師会の関谷敏彦会長は「開業医を含め、医療連携を話し合っていかなければならない」と模索する。

 新病院の建て替え計画では、同医師会などが「医療圏の将来像を描いた上で新病院の役割を示すべき」と主張して建設に向けた有識者会議を辞退し、1月以降休止が続いている。一方、老朽化した病院の建て替えが進まず、市の対応のまずさを指摘した半井潔院長が退職の意向を表明。唯一の常勤小児科医の半井院長が診療をやめ、同科は11月末でストップした。内科医2人も本年度内に退職する。

 市は有識者会議再開に向け、将来ビジョンとなる地域医療計画を策定中。菊池副院長は医療機関の統廃合も視野に「それぞれの病院の強みを生かした役割分担が必要だ。耐震機能が十分でない(現在の)病院で働きたくない職員もおり、新しい医療人を集める受け皿づくりとしても新病院が必要だ」と強調した。

 市医療局によると、市営2病院3診療所の経営を管理する病院事業管理者も年内で退職するが、後任は未定。菊池副院長は同市江刺出身。外科長などを経て、09年から副院長。

 その他の異動は次の通り。

 ▽副院長兼医療技術部放射線科長兼リハビリテーション技術科長兼栄養科長(副院長兼医療技術部放射線科長兼リハビリテーション技術科長)酒勾章▽副院長兼診療部外科長(医療技術部長兼診療部外科長)遊佐透▽医療技術部長兼診療部泌尿器科長(診療部泌尿器科長)尾形昌哉

〔「人員確保を図り、地域医療への貢献を目指す」と決意を語る菊池淳副院長=26日、奥州市水沢大手町〕

岩手日報社