県立河北病院の急性期前体制、効果じわり 軽微異常で入院、患者や医師の負担軽く

2018.11.26

県立河北病院の急性期前体制、効果じわり 軽微異常で入院、患者や医師の負担軽く
2018.11.22 山形新聞



 県立河北病院(多田敏彦院長)が9月に始めた、在宅療養中の高齢者対象の「プレアキュート(急性期前)体制」の運用が効果を見せつつある。かかりつけ医が発熱などの軽微な異常を発見した段階で同病院への入院を促し、検査や治療を実施。重症化による緊急入院を減らし、患者と医師双方の負担軽減につなげる取り組みだ。

 同病院は、救急車で運ばれてそのまま入院する患者の割合が他の県立病院と比べて高い。昨年度は新規入院患者の約半数を占めた。緊急入院は重篤となるケースが多い上、既往症などの基礎情報がないため、病院側の負担も大きい。さらに医師の高齢化が進む中、宿直日には緊急搬送者に1人で対応しなければならず、過重労働につながっているという。

 そのため同病院は、西村山、北村山、天童東村山の各医師会に協力を呼び掛けて体制を構築した。慢性疾患を抱えた在宅患者に、発熱のほか、体重減少などの前兆が見られた場合、同病院の地域医療支援部に連絡。その段階で患者は入院し、詳細な検査や治療を行う。退院後は在宅看護に戻る仕組みだ。

 早い段階で入院する利点として、▽疾患の重症化防止▽事前の患者データの把握▽救急搬送時の備えの充実―などが挙げられる。在宅患者に新たな疾患が見つかった場合、退院後の生活の質を向上させることにもつながる。

 運用開始から11月20日までに、この体制による入院は8人を数えた。患者や家族からは「具合が悪いときに早めに入院できるのはいい」「緊急時に備え、その前に顔を合わせておくと安心」などと好評という。在宅療養に戻った後、救急搬送された事例もあったが、患者の基礎情報が生かされ、スムーズに対応できたとしている。

 多田院長は「医師の過重労働は、働き方改革が求められる今、管理者として解決しなければいけない」と強調。「このままでは患者も医師も共倒れになる。地域全体で患者を守る体制の構築をさらに進めたい」としている。