室蘭3病院再編 議論進まず*検討2組織が混在*市立見直しで市と民間に溝

2018.11.15


室蘭3病院再編 議論進まず*検討2組織が混在*市立見直しで市と民間に溝
2018.11.14 北海道新聞 


 12日夜に開かれた第2回室蘭市地域医療連携・再編等推進協議会は、9月の初会合で「宿題」とされた協議会と道の地域医療構想調整会議の関係性について、市と民間病院の意見がかみ合わず「成果はない」(小泉賢一副市長)結果となった。議論が進まない背景に「市立室蘭総合病院の役割の見直しを優先して議論するべきか」について、市と民間病院の溝が埋まらない事情がある。(生田憲)

 会合は市、市医師会、市内3総合病院の代表が出席。座長の青山剛市長は別の会合に参加のため欠席した。冒頭の報告事項を除き、非公開で行われた。

 協議会と調整会議はいずれも病院の役割分担や統合・再編をテーマとしているが、構成員は異なる=表=。二つの会議の結論が食い違うことも考えられ、民間病院から関係を明確にするべきだと意見が出ていた。

 第2回会合で市は、協議会の設置要綱に「地域医療構想の動向も考慮しながら」と文言を追加したことを報告。「相違が出ないよう(調整会議を運営する)室蘭保健所と連携して話を進めたい」と理解を求めた。

 厚生労働省の指針は公立病院が策定した「新公立病院改革プラン」を各地の調整会議で協議することとしており、西胆振では市立病院が該当する。製鉄記念室蘭病院の前田征洋院長はこれを引き合いに「協議会で議論して合意を得るのか、地域医療構想調整会議にお任せするのか、全く関係性が分からない」と迫った。

 民間病院が市立病院の役割にこだわるのは経営に直結するからだ。

 市立病院は許可病床数549床と西胆振で最大で、税金を繰り入れられる。

 7日に市内で開かれた地域医療構想説明会(道主催)の質疑応答で、調整会議の委員でもある室蘭太平洋病院(白鳥台)の伊藤真義院長は「公立病院が方針を示さないと『将来の計画を立ててくれ』と言われても難しい」と訴えた。

 市は「市立病院だけを取り出して議論することにはならない」(小泉副市長)とあくまで3総合病院を一体で協議する方針をとる。

 ただ、限られた委員しか参加できない協議会が、調整会議に先行して結論を出すと協議会に参加していない医療機関の反発を招きかねない。

 2回目の協議会では、報道機関へ議論を公開する範囲を広げることを望む意見も出た。地域の医療機関や住民の納得を得ながら再編論議を進める努力が市に求められそうだ。

*地域医療の再編を協議する二つの会議

名称

 設置主体

 座長

 構成団体

室蘭市地域医療連携・再編等推進協議会

 室蘭市

 青山剛室蘭市長

 室蘭市、室蘭市医師会、室蘭市内の3総合病院

地域医療構想調整会議

 道

 野尻秀一室蘭市医師会長

 西胆振6市町の主要9病院、医師会など医療従事者の団体、自治体、消費者団体

※医療機関の役割分担などは主要9病院と医師会でつくる「医療機関部会」で協議する