医療・介護、地域一体で 県央で来春にも法人 県内初 /神奈川県

2018.11.14


医療・介護、地域一体で 県央で来春にも法人 県内初 /神奈川県
2018.11.10 



 団塊の世代が75歳以上になる2025年に向け、複数の医療機関・介護施設が一法人となって地域全体で良質な医療や介護サービスの提供を目指す「地域医療連携推進法人制度」を活用し、厚木市や海老名市など県央地区の機関が来春をめどに法人設立の方向で動いていることが分かった。全国で6法人が設立済みだが、県内は初めて。県も全面支援の構えだ。


 同制度は医療法改正を踏まえて2017年4月に施行された。複数の医療機関が参加し、過剰な急性期病床の再編や、医師らスタッフの人事交流を進めて、法人に参加するどの医療機関でも患者が一定レベルの医療を受けられるようにする。医療機器などの共同調達で経営の効率化を図るのもねらいだ。

 法人設立へ動いているのは「県央二次保健医療圏」(厚木、大和、海老名、座間、綾瀬各市と愛川町、清川村)内の医療機関。重篤患者にも対応できる救命救急センターを17年に県央地区で初めて開設した、社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス(海老名市)の海老名総合病院(服部智任院長)を中心に、地域包括ケアの充実も目指して介護施設の参加も呼びかけるという。

 当初の参加機関数は1桁台とみられるが、一般社団法人を立ち上げ、県の医療審議会での審議を踏まえて県から認可を受けて19年4月の法人設立を目指す。

 10月下旬、医療機関と行政が協議する県央地区保健医療福祉推進会議で、同病院の服部院長は「リソースが限られる中で、経営の効率化と、質の高い医療の提供を目指す。参加機関の経営の独立性は担保する」などと説明した。大学の付属病院と地域の民間医療機関が業務連携のかたちで17年4月に設立させた愛知県の「尾三会」を参考に、当面は参加機関どうしのノウハウの融通や共同調達などによるコスト削減を目標に取り組む方針だ。

 法人設立にあたり、脳卒中や急性心筋梗塞(こうそく)などの救急医療強化も主要目的となるが、県央地区の住民ががん治療を受ける際、他の地区の医療機関に流れる比率が高いことも背景にある。

 県の16年度のまとめでは、例えば肺がんの場合、県央二次保健医療圏の患者全体のうち、圏内の医療機関で治療を完結した患者の割合は約54%だが、「相模原」では約95%、「湘南西部」(平塚市、秦野市など)では約90%などと県内の他の医療圏はおおむね高く、県央は低い。法人の設立で、圏内の患者の治療をなるべく圏内の医療機関で完結させることを大きな狙いとしている。

 県は「メリットが浸透すれば他の地区でも動きが出るかもしれず、地域医療連携を進展させるためにも全面的にサポートしていきたい」としている。(岩堀滋)


 【写真説明】

 県央地区で地域医療連携推進法人の設立に動いている海老名総合病院=海老名市



朝日新聞社