地域医療発展 尽力に光*へき地医療貢献者 留萌管内の2人表彰

2018.10.10

地域医療発展 尽力に光*へき地医療貢献者 留萌管内の2人表彰*増毛町立市街診療所長 増子詠一さん(64)/道立羽幌病院長 阿部昌彦さん(60)
2018.10.06 北海道新聞 


*患者との対話大切に/後継の医師育てたい

 【増毛、羽幌】過疎地域での医療に15年以上にわたって尽力してきた医師をたたえる2018年度のへき地医療貢献者表彰に、増毛町立市街診療所長の増子詠一さん(64)と、道立羽幌病院長の阿部昌彦さん(60)が選ばれた。全国自治体病院協議会などによるもので、道内ではこの2人のみ。(工藤俊悟、長谷川賢)

 増子さんは札幌出身。1989年に札幌医科大を卒業後、主に都市部で勤務してきたが、3年間勤めた根室管内羅臼町で地域医療のおもしろさに目覚めた。医者は3、4人。それでも「小さいながらもアクティブに動き、頑張っただけ町民が認めてくれた」。室蘭勤務になった後も羅臼での手応えが忘れられず、2000年、増毛の診療所長に着任。立派な設備がない分「目の前の患者からできるだけ情報を引き出す」と、患者との対話を大切にしてきた。

 20年近い増毛勤務の中、「ここを離れようと思った時もあった」という。とどまったのは、10年ほど前に男性患者が語ってくれた戦争体験がきっかけだ。男性の話を聞いて、自分と増毛との不思議な縁を感じ取り、「できるだけ増毛で頑張ろうと思った」と振り返る。

 増毛では町民の予防接種率向上などにも取り組んだ。「地域で、本人も家族ももっと納得できるみとり方を考えていきたい」と意欲を話す。

 一方、阿部さんは美唄出身。自治医大を1983年に卒業後、内科医として市立稚内病院に勤務し、利尻島国保中央病院や道立静内病院(現新ひだか町立静内病院)、道立紋別病院(現広域紋別病院)などを経て、今年4月から道立羽幌病院長を務めている。

 へき地勤務が通算20年に及ぶ阿部さんは「振り返ると、たまたま医師が不在になったところに行ってくれないかと頼まれ、それに応えてきた。大きな病院と違って当直が多かったり、肉体的にハードな面もあったが、地域の人たちにはとても感謝された」と話す。

 受賞については「支えてくれた人たちのおかげ。特に家族は一緒に赴任地について来てくれ感謝している」。さらに「地域医療を担う志のある若い医師を総合診療医として育てたい」と後進の指導に力を入れる決意を語った。


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