加古川市民病院機構 17年度経常収支 過去最大 黒字19億6600万円 医師増員、患者数増加で

2018.08.29

加古川市民病院機構 17年度経常収支 過去最大 黒字19億6600万円 医師増員、患者数増加で
2018.08.25 



 加古川中央市民病院(加古川市加古川町本町)を運営する地方独立行政法人「加古川市民病院機構」は、2017年度の経営状況を明らかにした。入院患者数の増加などにより、経常収支は19億6600万円の黒字。黒字額は11年度の同機構発足以降で最大。市の一般会計から繰り入れる運営費負担金を除いた収支でも、初めて黒字を達成した。(切貫滋巨)


 発足時の同機構は西市民病院と東市民病院を運営。16年夏に2病院を統合して中央市民病院を開院させた。2年目の17年度は診療体制の充実に伴い、目標以上に経営の安定化が進んでいるという。

 機構の経常収支はこれまで12年度を除き、市の繰入金を加えて黒字を維持してきた。17年度の繰入金は約17・1億円で、仮に繰入金が無かったとしても約2・6億円の黒字となった計算になる。経常収支のうち、医療業務の収支である「医業収支」も、統合の影響で赤字だった16年度から黒字に転じた。

 同機構は、当初の計画で見込んでいた約6・4億円の黒字を大幅に上回った要因の一つに、入院・外来患者数の増加を挙げる。1日当たり入院患者数は16年度比8・3%増、1日当たり外来患者数は4・1%増に。病床(600床)稼働率は7ポイント改善して91%に向上。それらの結果、売上高に当たる医業収益は16・9%増と大幅な伸びを見せた。

 背景には、医師を11人増やすなどスタッフを増強したことなどがある。救急患者らを積極的に受け入れられるようになり、患者数増につながったという。救急車受け入れ件数は18%増。救急受け入れ要請に対する拒否率は12・8%で、3・6ポイント改善した。

 同機構は「今後も医業収支の黒字を維持向上し、経営の独立性の確保を目指したい」としている。


▼経営安定の一方 患者の満足度は低下


 新病院の開院2年目で経営が安定軌道に乗り始めた、加古川市民病院機構。財務内容は好調に推移する一方、アンケートでは患者の満足度が低下していることが明らかになった。待ち時間の増加などが原因といい、患者増への対策も今後の課題となる。

 同機構によると、「患者満足度アンケート」は昨年11月や年末にかけて実施。入院患者660人、外来患者446人から回答を得たという。

 アンケートによると、外来患者の総合的な満足度は、2016年度の80・8%から63%に低下。入院患者は92%から86・4%に低下した。接遇や応対についての満足度も、ともに低下している。外来の平均待ち時間は30分(16年度)から43分に増えたといい、担当者は「診療の待ち時間に加えて、会計でも待ってもらうことが多い。根本的解決は難しいが、より待ち時間が少なくなるよう努力したい」とする。ほかにもトイレが混雑するなどの問題も発生しているという。

 昨年発生した同機構発注の工事を巡る贈収賄事件を受けた、信頼回復の取り組みもまだ途上だ。同機構によると、17年度中に職員対象の倫理研修会を8回開催し、ほぼ全員が受講したという。昨年12月に役員でつくる「コンプライアンス推進本部」を設け、4月からは契約などをチェックする専任の監査員を置くなど、体制を充実させている。(切貫滋巨)