患者塾:医療の疑問にやさしく答える 医者のかかり方のコツ/下 /福岡

2018.06.27

患者塾:医療の疑問にやさしく答える 医者のかかり方のコツ/下 /福岡
2018.06.26 毎日新聞



 ■今回のテーマ 医者のかかり方のコツ

 「医者のかかり方のコツ」をテーマに5月19日、福岡県水巻町の遠賀中間医師会館であった第222回患者塾。クリニックと総合病院の役割分担や、手術後の生活も考える各病院の相談センターについて、医師や看護師が解説した。【まとめ・長谷川容子】

 ◆大分市の男性(52)

 胃が痛み、近所の総合病院で受診しようとしたら「まずクリニックで診てもらい、紹介状の持参を」と言われました。大きな病院だからかかりつけ医と専門医両方の役割が果たせると思うのですが。

 ◇紹介状で一歩進んだ診療に

 小野村さん 国は、初期診療は身近な開業医、より専門的な治療は中核病院や特定機能病院にと役割を分担する体制を進めています。一人を地域全体で診るというイメージです。そのため、例えば市立病院はこの方針に従って、開業医からの紹介状をお持ちの予約患者を優先的に診ます。また200床以上の病院は、紹介状のない初診患者からは初診料とは別に、各病院が定める「選定療養費」を頂いています。

 辛島さん 患者さんの病歴を一番わかっているのは、かかりつけ医です。総合病院の専門医にいきなり行っても、最初の状況がわからないまま診たら「治らない」とか「効果がパッとしない」ということになりかねません。定期的なエコーや心電図のデータがどう変化しているかなど、考えられるポイントを押さえた上で診察や検査をした方が、より一歩進んだ話ができます。紹介状はそのために必要で、飛び込み診療の患者さんには「かかりつけ医に問い合わせて情報をとってもいいですか」と尋ねることがあります。

 中村さん 総合病院の医師に「かかりつけ医になってほしい」という方はいますが、大きな病院に所属する医師は定期的に他の病院に異動したり、開業したり、入れ替わりがあります。長くつきあえるのは、地域の開業医です。

 ◆宮崎市の女性(55)

 83歳の父に肺がんが見つかり、かかりつけ医から「手術するのに希望の病院はありますか」と尋ねられました。手術後はすぐに退院させられ、近くの病院や介護施設に移されたり、場合によっては自宅で療養になったりしますよね。

 ◇「医療連携室」に相談を

 中村さん 支えになるのが各病院にある相談センターです。その病院にかかっていなくても、誰でも相談できます。おんが病院では「医療連携室」という名称で、手術や退院後のことを患者さんや家族と一緒に考えます。

 津田さん けがや病気が悪化した時に入院する急性期病院の入院日数は、おおよそ20日以内です。退院後の行き先は(1)自宅に戻って訪問診療を受ける(2)回復期リハビリテーションや長期療養のために転院または病床を移動する(3)介護施設などに入所する――などの方法があります。急性期退院後の受け皿として、60日間入院ができる地域包括ケア病棟があります。在宅で訪問診療は、医療連携室に相談すると適切な助言があります。また、自宅での生活がスムーズに送れるようにソーシャルワーカーに希望を伝えてください。

    ◆

 第224回患者塾「悔いのない最期のために」は7月7日午後3~5時、北九州市小倉北区の井筒屋新館パステルホールで。入場無料。

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 ◆記者のひと言

 ◇もやもや気分

 1週間ほど前から、腰と背中の痛みに悩まされている。一時は寝返りを打てず、起き上がるのも歩くのもやっと。たまたまその時期に受診した総合病院の皮膚科医の配慮で、院内の整形外科で診てもらったが、レントゲンやMRIで異常は見つからなかった。

 「徐々に良くなると思いますね。原因がわからない腰痛は結構ありますから」と先生。他の病気の疑いを尋ねると「他の科で調べてみないと。ここでは分かりません」。おっしゃる通りなのだが、もやもやとした気分で診察室を後にした。

 「医者のかかり方のコツ」をテーマにした今回の患者塾では、原因不明の症状を抱えている時の受診方法も議論になった。専門が細分化された今の医療。理解していたつもりだったが、身をもって体験すると、考えることは多い。【長谷川容子】