実態ない「急性期」3000病棟 厚労省分析 基準策定、削減・転換へ

2018.06.21

◎実態ない「急性期」3000病棟 厚労省分析 基準策定、削減・転換へ
2018.06.18  


 全国の病院で救急や集中治療向けの「高度急性期」、それに次ぐ「急性期」の役割を担っていると届け出ながら、治療実態が伴っていないケースが14%に当たる約3千病棟に上ることが厚生労働省の分析で判明した。

 病棟は一定数のベッド(病床)から成る。急性期病床は以前から「過剰」と指摘されており、医療費の無駄につながることから、厚労省は手術件数など数値基準を近く定める方針。基準に当てはまらない病院には病床削減や他の機能への転換を促す。

 看護師配置が手厚い急性期病床は支払われる診療報酬が高く、「高度な医療を行っている」とのイメージから病院が名乗りたがる傾向がある。だが実際には、リハビリをする「回復期」の患者が入院している例も多いとされる。

 厚労省は、病院や診療所が病棟ごとの機能を都道府県に届ける「病床機能報告」の2017年度データを分析。2万1265病棟が高度急性期や急性期と報告していた。がん、脳卒中、心筋梗塞への治療や救急医療など5項目の実施状況を調べた結果、14・2%の3014病棟は全項目該当なし、または実績データの報告がなかった。

 実態を伴わない、こうした事例は、医療界では「なんちゃって急性期」とも呼ばれる。厚労省と各都道府県は、団塊の世代が全員75歳以上になる25年の在るべき医療提供体制を定めた「地域医療構想」に沿って今後、実態に即して回復期などへの転換や削減を求める考えだ。(共同)