順大新病院整備計画の遅れ、地域医療構想に影 昨年度、会議にすべて欠席 /埼玉県

2018.05.22

順大新病院整備計画の遅れ、地域医療構想に影 昨年度、会議にすべて欠席 /埼玉県
2018.05.11 



 県がさいたま市内に誘致する順天堂大医学部付属の新病院整備計画の遅れが、地域の医療提供体制の将来を巡る議論にも影響を及ぼしている。2017年度、同市域の医療構想を話し合う会議を、同大の法人は新病院の概要が未定として欠席。関係者からは、困惑といらだちの声も上がる。

 「順大新病院の医療機能がはっきりしないと、議論できない」「県が順大を指導してほしい」。3月、さいたま市地域医療構想調整会議で、救急医療などを担う市内の病院長や医師会長から意見が相次いだ。

 会議は、団塊世代が75歳以上となる25年に必要な病床数や医療機関の役割をまとめた「県地域医療構想」の実現に向け、地域の医療関係者が協議する場。国は、新規整備予定の医療機関にも出席を求めている。だが17年度、同市全域にあたる、さいたま保健医療圏で4回開いた会議を、学校法人順天堂は全て欠席。朝日新聞の取材に対し「医師の出席を求められているが、まだ新病院の院長候補者が決まっていない」と欠席理由を説明する。

 構想の推計では、25年に同圏で必要な病床数は7664床で、15年度に比べ約660床不足する見通し。医療機能別に見ると救急対応の「高度急性期」や「急性期」よりも、リハビリの提供などを行う「回復期」が約2千床の大幅な不足を見込むなど、増床と共にこれらの再編も課題となる。

 一般的に大学病院は高度急性期や急性期の医療を担うため、800床を計画する順大の新病院は、将来の機能再編に向けて「大きな影響要因」(市地域医療課)。県保健医療部の三田一夫参与は、「まず既存病院で話を進めて頂き、新病院の基本計画が出た段階で整合性を取っていかなければいけない」と話す。(増田愛子、長谷川陽子)



朝日新聞社