医療機器入札 3分の1が予定価格 松戸の市立病院 高落札率も多数=千葉

2018.05.08

医療機器入札 3分の1が予定価格 松戸の市立病院 高落札率も多数=千葉
2018.04.28読売新聞



 ◆市議会「極めて不自然」

 松戸市千駄堀に昨年12月に開院した市の新病院「市立総合医療センター」の医療機器の入札計60件のうち、3分の1の20件が、予定価格と同額で落札・契約されていたことが市への取材でわかった。残る40件のうち8割以上の34件も落札率などが95~99%台と高率で、市議会からは「予定価格が漏れているのでは」と疑問視する声が上がっている。

 入札は2016年9月~今年3月、一般競争入札で行われ、公立病院などに納入実績のある業者2~6社がそれぞれ参加。市は他の物品入札と同様、予定価格を公表してこなかったが、市議会から「多額の予算が使われた入札情報は公開すべきだ」との指摘を受け、年度末の先月、落札率などを明示した入札結果の公表に踏み切った。

 「新病院の医療機器購入に係る入札等の結果」によると、予定価格と同額だったのは「重症部門システム等」(税込み約4億1000万円)、手術用の手洗い装置などの「中央材料室機器一式」(同約3億6000万円)、モニターなどを設置するための機器「シーリングペンダント」(同約2億7000万円)、磁気共鳴画像(MRI)装置(同約2億3000万円)など20件。

 このうち8件は落札額そのものが予定価格と同額だった。残る12件は、予定価格を上回ったため入札不調となり、その後に行われた随意契約で業者が予定価格と同額を提示。その金額通りに契約された。

 最も契約額が高かったのは「放射線治療装置」の約6億2000万円(税込み)。落札率や、予定価格に対する契約額の割合が99%台だったのは同装置を含め28件、95~98%台は6件に上った。

 同病院事業管理局によると、医療機器の総予算額はまず、医師たちへの聞き取りに基づいて約64億円(同)と試算。その後、医療コンサルタント会社「アイテック」がメーカーと交渉するなどして約45億円(同)と算出し、入札の予定価格はこれを基に同局が決めた。

 入札などの結果、60件の契約金額は総額約42億5000万円(同)となり、同局は「医療機器には専門的な知識が求められるのでコンサル会社に算出を委託した。最終的に、当初の試算から21億円余りを削減できた」と強調。「予定価格が低く設定された上、業者もメーカーと情報交換して入札に臨んだため、結果的に予定価格と同じになったものがあったのではないか」と説明する。

 これに対し、市議会からは「極めて不自然な結果。入札は医療業界の主導で、市は蚊帳の外なのが実態ではないか」として、入札の仕組みの見直しを求める声が出ている。

 ◆現地建て替え断念し移転… 事業費膨張 市財政圧迫

 免震構造の9階建てで、最新設備を誇る新病院は曲折の末に開院した。

 1995年の阪神大震災で松戸市上本郷の旧病院の耐震性が問題になり、建て替え案が浮上。2010年の市長選では建設地が争点となり、「財政負担が大きい移転には反対」と現地での建て替えを主張した本郷谷健次市長が初当選した。

 しかし翌11年、建て替え工事中に入院患者が減少して大幅な減収が見込まれることなどから、本郷谷氏は現地建て替えを断念。同市千駄堀に移転した結果、総事業費は約289億6000万円と公約だった約64億円の4倍以上に膨らみ、市財政を大きく圧迫することになった。新病院のあり方は6月の市長選でも争点になりそうだ。