市立2病院、独法化へ 北九州市、秋にも改革プラン /福岡県

2018.05.08

市立2病院、独法化へ 北九州市、秋にも改革プラン /福岡県
2017.05.30 


 北九州市は、医療センター(小倉北区)と八幡病院(八幡東区)の市立2病院について、経営再建のため独立行政法人化する方針を固めた。市は秋ごろまでに、独法化の方針を盛り込んだ「新病院事業経営改革プラン」をまとめる。ただ、改善効果が出るには時間がかかりそうだ。


 ■赤字解消を狙い

 北九州市の病院事業は1963年の5市合併で、旧5市の市立病院と旧5市共立の2結核療養所の計7病院で発足した。

 当初から多額の債務を抱えており、財政再建のため67年以降、病院の改編を進めた。結核療養所は統合後に廃止。93年に5病院体制とした。

 2002年には戸畑病院を民間に譲渡。08年1月に策定した病院事業経営改革プラン(旧改革プラン)に従い、門司病院に指定管理者制度を導入した。さらに若松病院を民間に譲渡し、現在の2直営病院、1指定管理病院の体制に至っている。改革が功を奏し、10年度以降5年連続で黒字を達成した。

 しかし、国の診療報酬改定や消費増税の影響を受け、黒字額は減り続けた。看護学校や本庁の管理部門などを含めた病院事業会計全体では、15年度決算で6年ぶりに赤字に転落。赤字額は5億7600万円だった。16年度決算でも赤字が見込まれる。

 病院事業を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少が進んだことで厳しさが増している。こうした状況は全国的な傾向で、総務省は15年3月、公立病院改革の指針をまとめ、自治体に改革プランを定めるよう求めた。

 北九州市は、地元医師会や薬剤師会、学識経験者らでつくる「市立病院のあり方検討会議」を15年8月に設け、新しい改革プランの策定に向けて話し合ってきた。

 昨年2月の第4回会合で「医療センターと八幡病院については、地方独立行政法人化に向けて準備を進めるべきだ」との意見が示され、市も新改革プランに独法化を盛り込む方向で検討を進めてきた。

 29日にあった10回目の会議でも異論は出ず、市は秋ごろまでにまとめる新改革プランに独法化の方針を明記する。プラン策定後、市議会の承認など独法化に必要な手続きに入る。


 ■険しい立て直しの道

 独法化は既に政令指定都市で導入が進んでいる。北九州市病院局によると、09年度以降徐々に増え、福岡市や大阪市など主に西日本の8指定市で17病院が独法化されている。

 独法化によって、人事や給与などの管理部門が市から移り、病院の事務量と管理費が増す面もある。一方で、病院の裁量で報酬や昇給制度を決められ、経営責任も明確になる。医師の採用も柔軟にできるようになる。既に独法化した自治体では、こうした点から経営改善効果がみられるという。

 しかし独法化が実現しても、公立病院以外に民間大手の病院がひしめく北九州市で市立病院事業を立て直すのは容易ではない。

 2病院の経営改善には病床利用率の向上が必要という。がん患者の入院が多い医療センターの病床利用率は10年度は84・8%だったが減り続け、15年度は76・0%だった。背景には、がんの治療法が進歩し、日帰りの外来治療が増えたことなどがある。

 八幡病院も短期入院の増加などで病床利用率が低下している。だが、病床利用率向上のための即効薬はないのが実情だ。

 病院局は、独法化の時期の目安として、今月10日の市議会で「最速で19年4月」と言及した。病院経営課は「独法化によって経営面で民間病院と同じステージに立てるが、自動的に民間並みの経営ができるわけではない。改善効果が出るには時間がかかる」としている。(井石栄司)


 ■市立病院改革を巡る動き

 1963年 北九州市発足。旧5市の総合病院と、門司と若松にあった結核療養所の計7病院を引き継ぐ

  67年 自治大臣が病院事業を財政再建企業に指定。翌年、再建計画を承認

  73年 若松の結核療養所を廃止し、門司の結核療養所に統合

  93年 結核療養所を廃止し、門司病院に結核病棟を開設

 2002年 戸畑病院を廃止。民間に譲渡

  08年 市病院事業経営改革プラン策定

  09年 門司病院に指定管理者制度導入

  11年 若松病院廃止。産業医科大へ譲渡


 【写真説明】

 がん診療や周産期医療を担う医療センター=北九州市小倉北区

 救急医療などを担う八幡病院=北九州市八幡東区
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福岡県/北九州市 市立病院 独法化へ 市長「19年4月」と表明/北九州・京築
2017.06.09 

 北九州市の北橋健治市長は8日の市議会一般質問で、市立の医療センター(小倉北区)と八幡病院(八幡東区)について、「2019年4月に地方独立行政法人化(独法化)する。必要な準備を進めていく」と答弁した。市は本年度中に独法化に向けた定款を作り、18年度に中期目標計画を策定するとしている。

 市によると、独法化で職員の身分が非公務員となり、運営の権限が市病院局長から法人理事長に移る。職員の柔軟な採用・配置や、医師の業績評価制度の導入などが期待できるほか、入札で決められていた医療機器の価格は、業者との交渉が可能になるという。

 一方、これまで市の人事課が担っていた給与管理を法人で対応するため、事務職員の業務量が増えるとみている。

 医療センターはがん診療や周産期医療、感染症、八幡病院は小児救急に力を入れる。ただ、両病院の病床利用率は減少傾向にあり、15年度はいずれも76%。独法化によって経営が安定する80%以上に引き上げ、経営改善につなげる狙いもあるという。

 市は市立病院の在り方について、15年8月から医療関係者や大学教授、乳がん患者、保育士らで10回にわたり協議してきた。市によると、政令市のうち8市が公立病院の独法化を導入している。 (一瀬圭司)

西日本新聞社