行政のサポートに注目 病院の健全経営なるか 【東金市の課題 4・15市長選へ】

2018.04.12

行政のサポートに注目 病院の健全経営なるか 【東金市の課題 4・15市長選へ】
2018.04.06 千葉日報



 多額の赤字に苦しむ山武・長生・夷隅医療圏の地域中核病院「東千葉メディカルセンター」。所在地で運営主体の独立行政法人に出資している東金市にとっては、病院存続に向けた経営健全化が喫緊の課題。行政面からどのようなサポートをできるかが注目されている。8日告示、15日投開票の市長選を前に、市政の課題を探った。


 (東金支局 堀井研作)


 同センターは市内にあった「千葉県立東金病院」の閉院に伴い2014年に発足。エリア内で唯一生命に関わる重症にも対応できる「3次救急」部門を持つ総合病院だ。現在20診療科が開設されている。


 市によると、地域の医療環境充実のため00~04年、「山武地域医療センター構想」が提言されたのが開業のきっかけ。近隣の既存2病院を支援病院として東金病院と統合させ、救急救命機能を持つ新病院を建てる計画だった。


 構想には当初、当時の山武郡内の全1市7町1村が参加していたが、病院トップの権限などを巡り協議が整わず、白紙に。東金市、九十九里町で計画を引き継ぎ、両市町が出資する地方独立行政法人が運営主体となり今に至っている。


◆赤字に苦しむ


 想定されてはいたが、救急部門では搬送の有無に関わらず24時間体制で職員を待機させなければならず、人件費の高騰により開業間もなく赤字に。医師や看護師の不足で現在までに全23診療科中20診療科、全314病床中243床の部分開業状態のため医業収入も不十分で、16年度までの累積赤字は43億円に膨らんだ。


 赤字解消へ県と両市町は08~14年、医療圏内自治体へ住民の救急利用に応じた負担を再三求めてきたものの、「県が支援すべき」などと拒否されてきた。


◆県が追加支援表明


 両市町は開院後10年間で施設整備費として県から分割交付される総額85億6千万円の補助金の一部を、同センターへ資金繰りのため貸し付けている。運転資金が不足していることから前倒しで交付してきたため、21年度には限度額いっぱいになる見通しだ。


 現状を受け県は2月、経営健全化へ新たに財政支援をすることを表明した。本年度中にも両市町と金額の協議を始める予定。同センターは近く支援が受けられるとみられ、当面の危機は脱した形だ。ただ、病院運営の有識者会議は救急部門で「近隣市町村の理解を得るための働き掛けの実施」をうたい、利用に応じた周辺自治体への負担を求めてもいる。課題は山積。新市長の手腕が問われている。

千葉日報社