中空知 地域医療の在り方は*砂川市立病院事業管理者を退任 

2018.04.11


中空知 地域医療の在り方は*砂川市立病院事業管理者を退任 小熊豊氏に聞く*「各市町 補い合うことが大事」
2018.04.10 北海道新聞朝刊地方  

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 【砂川】市立病院の院長や事業管理者として経営安定化を主導してきた内科医の小熊豊氏(68)が3月末で管理者を退任し、名誉院長となった。同病院には通算28年間勤務し、中空知の医療の中核を担う診療体制の構築に尽力してきた。今後も診療に携わりながら、地域医療の充実に力を注ぐ考え。小熊氏に病院経営や地域医療の在り方などについて聞いた。(聞き手・若林彩)

 --院長就任以降、何を重視して病院経営に当たりましたか。

 「『常に地域にない医療をやろう』と考え続けるのを信念としました。2010年の新病棟開設に合わせて救命救急センターを新設し、集中治療室(ICU)も増設するなど急性期の患者を24時間で受け入れられる体制を整えました。地域のセンター病院としての地位を確立できたと思います。財政面でも『病院がこけたら、市、地域がこける』と緊張感を持って運営してきました」

 --初代の事業管理者として市長から人事や予算編成の権限が移譲され、変化したことはありますか。

 「職員の給料を決められるようになったのが大きかったです。診療内容などを評価することで、職員のモチベーション向上につながりました。医師たちは常に地域に必要な医療を考え、実践しています。他地域に先駆けて認知症疾患医療センターを開設し、腎移植手術などを行ってきたからこそ、毎年多くの研修医が来るようにもなりました」

 --経営の一方、自ら診療を続けてきましたね。

 「やっぱり現場が好きですから。いま、外来で何が問題になっているか、どのような診療を行っているか、肌で感じたかった。これからも病院での診療は続けますよ」

 --今後の中空知の医療の在り方をどう考えますか。

 「中空知を一つの医療圏として考え、各市町がそれぞれ、自分のまちにない医療を補い合うことが大事です。そのために、各病院が目指す医療構想を話し合う必要があるでしょう。さまざまな会合に出席する機会があるので、国や道が目指す医療の在り方や医療の変化を市立病院に伝えるなどしていきたいと思います」

 おぐま・ゆたか 胆振管内早来町(現安平町)生まれ。北大医学部卒。砂川市立病院に75年から1年間、91年から27年間勤務。96年から院長、14年から事業管理者を務めた。全国自治体病院協議会副会長、北海道医師会副会長。