(教えて!診療・介護報酬の改定:6)門前・門内薬局の手数料、下がるの?

2018.04.05


(教えて!診療・介護報酬の改定:6)門前・門内薬局の手数料、下がるの?
2018.04.04  朝日新聞



 千葉市の千葉大学医学部付属病院の周辺には、赤字で「処方せん受付」などと書かれた看板を掲げる「門前薬局」が軒を連ねる。敷地内にはさらに二つの薬局が2017年4月に開業した。規制緩和で16年秋に解禁された「門内薬局」だ。妻の付き添いで月1度来院する60代の男性は「病院の駐車場に車を止めたまま来ることができる」とこの門内薬局を使う。

 政府は、薬剤師が医療機関から独立し、医師の処方ミスや過剰投薬を指摘しやすくする「医薬分業」を進めるため、門外の薬局を優遇してきた。患者が処方箋(せん)を持って行くと最高で410円の手数料を受け取れる。一般的な門内薬局は200円で、ともに院内調剤の80円を大きく上回っていた。原則3~1割の患者の窓口負担額もその分、高かった。

 大量の処方箋を出す大学病院や大規模病院の周りに薬局が林立するのは、特定の病院が使う薬をそろえておけばよく、備蓄コストが抑えられて高い利益が見込めるためだ。

 こうした門前薬局が増えたため、厚生労働省の16年度調査では保険薬局全体の利益率は7・8%となり、特に20店舗以上のチェーン薬局は12・1%と高い利益率となった。一方、患者からは院内調剤とのサービス差がわかりづらく、税金の使い道を検証する昨年の行政事業レビューでは「価格差に見合う価値が検証されていない」と指摘された。

 このため今回の改定では、門前や門内薬局の処方箋の手数料が大きく引き下げられた。200店舗以上ほどの大手門前薬局チェーンで、特定の医療機関の処方箋ばかり扱う場合は150円になった。門内薬局は100円とした。

 一方で、地域医療で重要な役割を果たしている薬局や減薬に取り組む薬局の報酬は手厚くなった。

 滋賀県東近江市の丸山薬局は、地域の人から連絡があれば夜間や休日でも店を開ける。高齢で薬局まで来られない患者には薬を自宅まで届ける。店主で薬剤師の大石和美さん(56)は「患者さんに本当に合ったものを選び、薬を使った後までフォローするのが薬剤師の仕事」と語る。

 こうした夜間・休日の対応などへの体制を整えた薬局には、処方箋を1回受け付けるごとに350円加算されるようになった。また、薬剤師が6種類以上の薬が処方されている患者に服薬指導し、2種類以上減らした場合は1250円の報酬がつく。薬ののみすぎで副作用が出るのを防ぐ狙いだ。

 (水戸部六美)