鞍手町の地方独立行政法人「くらて病院」内科常勤医師6人全員が31日、退職する。

2018.04.02

福岡県/くらて病院 内科の入院患者ゼロに 常勤医全員、きょう退職/筑豊
2018.03.31 西日本新聞


 鞍手町の地方独立行政法人「くらて病院」内科常勤医師6人全員が31日、退職する。同病院の河野公俊理事長(68)は29日、記者会見し、「病院の再建に向け難局を乗り越えたい」と強調した。ただ、病院問題などを巡り、徳島真次町長と町議会の溝は深まっており、地域の中核医療機関は今も揺れている。


 河野理事長や病院側によると、約50人いた内科の入院患者は、退院や転院で、28日にはゼロとなった。60人ほどいた透析患者も現在は約10人に減った。

 一方、4月以降は河野理事長が北九州市の民間病院を辞め、くらて病院の常勤医となる。介護老人保健施設の医師1人は兼務ではあるが常勤で、透析専門の医師1人は週4日勤務し、「常勤医3人弱」(河野理事長)の態勢を整える。内科外来診療は、九州大や久留米大からの非常勤医師なども合わせ、以前の8割ほどは対応できるとみている。

 内科常勤医師の退職は「町長の逸脱した権限行使で町への不信感が募った」のが理由。町議会は病院職員らの嘆願書を受け、調査特別委員会を設置し、「全ての責任は町長にある」とする報告書をまとめた。2018年度の一般会計当初予算案を否決するなど町長との対決姿勢を強める。

 町民からは不安の声が聞かれる。バスで週3回通院する女性(82)は「足が悪く、紹介された中間市の病院へ行く電車の乗り降りができない」。ある入院患者の家族は「個人病院を転院先として紹介されたが費用が月3万~5万円増え、年金生活では到底出せない」と肩を落とす。

 (木下良弘)

西日本新聞社