日本海ヘルスケアネット 来月設立/山形県・酒田市病院機構 栗谷義樹理事長に聞く

2018.03.29

日本海ヘルスケアネット 来月設立/山形県・酒田市病院機構 栗谷義樹理事長に聞く/庄内北部 包括ケア充実/山形県医療審議会は22日、県・酒田市病院機構など酒田市内の医療・福祉関連9法人が参画する地域医療
2018.03.23 河北新報 


日本海ヘルスケアネット 来月設立/山形県・酒田市病院機構 栗谷義樹理事長に聞く/庄内北部 包括ケア充実

 山形県医療審議会は22日、県・酒田市病院機構など酒田市内の医療・福祉関連9法人が参画する地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」の設立を認める方向で一致した。知事の認定を経て、東北初となる地域医療連携推進法人が4月初旬にも発足する。代表理事に就く予定の栗谷義樹・同病院機構理事長(71)に展望を聞いた。(酒田支局・亀山貴裕)

<スタッフ派遣も>

 -審議会が新法人設立を認めました。今後どのような取り組みを進めますか。

 「最終的には知事の認定が必要だが、9法人で1年半重ねてきた議論がようやく実る。地域医療連携推進法人となれば、職員の相互派遣や共同研修、医療機器の共同利用、病床機能ごとの役割分担など非常に多くのことが可能になる」

 「介護士や看護師の確保策を例に挙げると、比較的知名度が高い病院機構で募集・採用し、ある程度キャリアを積んだ段階で人手不足の連携施設に出向してもらうことはあり得る。機構としては余剰スタッフを抱えるが、連携する回復期病院や介護・福祉施設の体制が整えば、地域包括ケア体制の充実という意味で結果的にプラス効果が生じる」

 -患者のメリットは。

 「利用者側の個々のメリットとなると、説明が難しい。地域で必要とされる医療、介護、福祉サービスを将来にわたって提供し続けるための基盤づくりと考えてほしい」

 「少子高齢化で社会保障費が増大する中、病院や介護施設は非常に厳しい時代を迎える。これまで競合してきた法人同士が協調へ転換し、施設間の資源を有効活用することで、医療崩壊など最悪の事態を避けられる確率が高まる」

<統合協議が素地>

 -地域医療連携推進法人は東北で初めて。酒田で実現できるのはなぜですか。

 「庄内北部では10年前、県立病院と酒田市立病院の統合という大きな出来事があった。医師会や病院、行政との間で非常に難しい議論が交わされ、統合後も日々の連携や利害調整で率直に、時に厳しい話を重ねてきた。そこで生まれた信用が素地となり、新法人設立に至ったと考えている」

 -参加法人は全て庄内北部。鶴岡市を中心とした南部との連携はありますか。

 「国の定めた連携推進区域は二次医療圏が基本原則で、できない理由はない。庄内全体の人口は28万弱から、2025年には24万まで減るという推計が出ている。急性期医療に用いられる医療機材は高価で、生活圏を同じくする庄内の各病院が重複投資を続ければ共倒れになりかねない」

 「これまでは北部と南部の病院が共同で運営するという意識は薄かった。南北の連携は私たちの次の世代の課題になるだろう」

<地域医療連携推進法人>地域の医療機関や介護施設のネットワーク化により、業務連携や医療機能の分担を促し、質の高い効率的な医療提供体制を地域で確保する。厚生労働省が2017年4月、地域医療構想を実現するための一つの選択肢として制度化。全国で愛知県や広島県などの4法人が認定を受けるが、関東以北では事例がない。

<くりや・よしき>東北大医学部卒。仙台市立病院などを経て1988年酒田市立酒田病院。98年に同病院長。2008年に独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」の初代理事長兼日本海総合病院長。14年から酒田地区医師会長も務める。71歳。北秋田市出身。

///////////////////////////////////////


県医療審議会 酒田の医療連携推進法人を適当と判断 吉村知事へ答申決める
2018.03.23 山形新聞



 県医療審議会(会長・徳永正靱県医師会長)が22日、県庁で開かれ、日本海総合病院(酒田市)を運営する県・酒田市病院機構などが発足を目指す地域医療連携推進法人について設立を適当と判断、吉村美栄子知事に答申することを決めた。4月に認定される見通し。

 地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」は精神科の専門病院と地域の医師会・歯科医師会・薬剤師会がそろって入る全国初の組織で、酒田地区9法人で構成する。医療・介護のサービス提供が病院完結型から地域完結型に転換され、法人内の機能分担により切れ目のない一体的な医療・福祉体制が構築される。代表理事には同機構の栗谷義樹理事長を選定、認可することを適当と判断した。

 この日は委員17人が出席した。県の担当者が地域医療連携法人の認定に関する要件、日本海ヘルスケアネットの仕組みや具体的な連携業務と効果などを説明した。委員は説明を踏まえて設立は適当と認め、答申する方針を決定した。

 効率的な医療提供体制を整備する第7次県保健医療計画案についても知事に答申する。