<社説> 診療報酬改定 介護と連携強化進めよ

2018.02.16

<社説> 診療報酬改定 介護と連携強化進めよ
2018.02.14 北日本新聞
 

お年寄りが住み慣れた地域で療養することができる社会づくりへ、医療と介護のいっそうの連携強化が求められる。

 4月から医療機関に支払われる診療報酬の改定内容が決まった。

 身近なかかりつけ医の役割を強化するとともに、介護と連携して、高齢者らをコストがかかる病院から自宅や施設へ誘導するのが大きな特徴だ。

 かかりつけ医には日常的な診察を担当してもらい、先端医療を担う大病院との役割分担をさらに進める。

 訪問診療や夜間・休日に対応する態勢を整えたかかりつけ医には、初診時に800円を加算する新制度を導入した。

 一方、紹介状を持たずに大病院を受診した人に5千円以上の追加負担を求める制度については、対象病院を500床以上から400床以上に拡大する。

 過重労働が問題となっている病院勤務医の負担軽減にも効果が見込めよう。

 国がこうした改革を急ぐのは、高齢化に伴う社会保障費の増大を抑制する必要があるからだ。

 社会保障費は2018年度予算ベースで過去最大の約33兆円に膨らみ、歳出全体の3割超を占めている。

 2025年には、団塊の世代がすべて75歳以上となる。社会保障費のさらなる増加が見込まれ、医療ニーズの変化に合わせた対策は避けられない。

 今回の改定を通じ、「入院」から「地域医療」への流れを確実にしなければならない。

 医療費の削減策では、処方箋の受付枚数が一定以上の大手薬局グループで、特定の病院からの処方箋が85%を超える「門前薬局」は報酬を引き下げる。

 年間医療費が推計約1兆6千億円に上る腎臓病患者の人工透析についても、医療機器の台数が多く患者の回転率が高い医療機関は利益を上げているとして、報酬引き下げに踏み切る。

 安価なジェネリック医薬品(後発薬)の普及へ、使用割合が85%以上の薬局には新たな加算をつける一方、20%以下の薬局は調剤基本料を減らす。

 こうした改定で患者負担が増す一部サービスもあろうが、持続可能な制度には継続的な見直しが欠かせまい。

 今後も報酬はきめ細かく再編し、配分の重点化と効率化を図るべきである。

 診療報酬は2年ごと、介護報酬と障害福祉サービス報酬は3年ごとに見直しており、18年度は三つを同時に見直す6年に1度の大幅改定となった。

 改定では、パソコンやテレビ電話など情報通信技術(ICT)を活用して、患者と離れた場所から診察する「遠隔診療」の報酬も新設した。

 過疎地や離島など医療機関や医師が不足している地域での診療や、仕事が忙しい人の生活習慣病予防などに活用が期待できる。

 医師は都市部に集中する一方で、地方においては不足しているのが実情だ。

 ICTの活用と合わせ、偏在解消へ抜本的な対策も打ち出してほしい。