市民病院、経営改善へ 収支計画の見直し急務 【匝瑳市の課題 2・4市長選へ】

2018.01.29

 市民病院、経営改善へ 収支計画の見直し急務 【匝瑳市の課題 2・4市長選へ】
2018.01.25 千葉日報



 1日平均302人の外来患者、62・9人の入院患者(いずれも昨年度)を抱える国保匝瑳市民病院(110床)。医師不足などに伴い本年度の純損益は約1億7千万円の赤字との見積もりもあるなど、経営状況が悪化している。こうした状況を踏まえ、市執行部は昨年、建て替え整備に関する検討を一時保留すると表明した。28日告示、2月4日投開票される市長選に向け、病院の経営改善に向けた取り組みを探った。


(銚子・海匝支局 田村理)


◆建設より健全化


 「収支計画が乖離(かいり)してきた。早いうちに見直さなければならない」-。昨年12月の定例議会で市執行部は、建て替えの検討を一時保留し、経営の健全化に最優先で取り組む方針を示した。


 施設の老朽化が進む病院は、有識者らによる委員会に、2022年度に開院する建て替え整備のスケジュール案を提示。昨年11月2日には、委員会がこれに向けた基本構想・基本計画案の答申を出していた。答申書に示された建設位置には市議会などから異論も出ていたが、病院の担当者は「(一時保留は)答申を受け、あらためて経営状況を精査し判断した」と説明している。


◆医師数減など響く


 介護老人保健施設などの付帯事業を含む昨年度決算では、財政状況の弾力性を示す経常収支比率は94・3%で、10年度(99・8%)と比較して悪化。民間企業の営業利益率に当たる修正医業収支比率は71・0%。10年度(86・8%)と比べ大きく落ち込んだ。


 決算では、市一般会計から約5億8千万円を繰り入れた。このうち約4億9千万円は交付税措置の対象となる基準内だが、約9千万円は赤字補てんのための基準外繰り入れだった。


 経営悪化には看護師不足などさまざまな要因があるが、中でも常勤医が減っていることが大きく響いている。常勤医は10年度に12人、11~14年度には10~11人在籍していたが、その後8人に。昨年9月には外科医が1人辞め、現在は7人にとどまる。


 3月に策定した新改革プランでは、人員の適正配置による経費節減・抑制や地域包括ケア病床の導入などを掲げた。ただ、同プランなどは常勤医8人体制を前提としており、収支計画の見直しに迫られている。


◆アイデア募集


 病院では昨年12月、院内組織として経営改善委員会を立ち上げた。プランの進行管理のほか、職員からも改善に向けたアイデアを募る。担当者は「医師を確保したいが、容易ではない。今いる医師で何ができるか、しっかりと検討したい」としている。


 不採算部門も含め地域医療を担う役割が求められる公立病院。経営改善は容易ではないが、住民に必要な医療を届け続けるための取り組みに期待したい。