北部2病院統合/借入金や雇用に課題

2017.12.11

北部2病院統合/借入金や雇用に課題
2017.12.06 琉球新報


<解説>

 県立北部病院と北部地区医師会病院の統合への方向性が明示された。医師不足を解消し、安定した医療体制の構築につながると、地元が寄せる期待は大きい。一方で、医師会病院の借入金問題や職員の身分といった人的問題など課題は山積している。県は今後、医師会病院や北部12市町村との協議を控えるが、合意形成までの道のりは険しい。

 県は3月「安定的な医療提供体制を構築するための効果的な施策が喫緊の課題」などとする「県地域医療構想」を決定。課題を抽出し、統合の是非についての検討を進めてきた。翁長雄志知事は公約で「県立病院の経営形態を維持し、充実強化を図る」としており、現時点では統合後、県営となる見通しだ。ただ、医師会病院はかつて経営破綻の危機に陥った経緯もあり、借入金の取り扱いも焦点になる。

 5日の県議会11月定例会の代表質問では、次呂久成崇氏が、協議不調となった場合を尋ねた。県保健医療部の砂川靖部長は「相手のある話で、不調だと統合できないことになる」としながらも「新たな基幹病院の整備はどうしても必要。協議不調にならないよう、努力したい」と強調した。

 ある県幹部は「ただ病院を建てればいいわけではない。将来の地域づくりに大きく関わる」と指摘する。数ある課題を、今後どのように折り合いを付けていくか注目が集まる。

(前森智香子)

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北部医療 安定化へ期待/2病院統合 首長ら早期実現要望
2017.12.06 琉球新報



 【北部】翁長雄志知事が5日、名護市の県立北部病院と北部地区医師会病院の統合・再編を進め、基幹病院を整備する方針を表明したことを受け、関係首長らからは「感謝したい」と歓迎する声が上がった。実現に向けスピード感を持って取り組むよう要望する声もあった。(1面に関連)

 約11万人分の署名を集め、翁長知事に基幹病院整備を要請した北部地域基幹病院整備推進会議会長の高良文雄本部町長は「基幹病院ができれば、地域住民も安心して子どもを産み育てることができる。知事に感謝したい。本当に喜んでいる」と話した。その上で「安定的な医療の確保に向け、やっとスタートラインに立った。北部市町村会も積極的に協力、支援していきたい」と力を込めた。

 稲嶺進名護市長は「やんばるの思いを受け止めてくれてありがたい」と喜んだ。「地域医療、地域住民にとって一番、良い態勢を作ることが大事だ。今、競合している診療科目もある。統合することで医師の負担も軽くなる」との見解を示した。

 北部地区医師会の宮里達也理事は「我々としてはありがたいことだが、早く基幹病院を設立しなければ北部の医療は数年たたずに完全に崩壊してしまう」と指摘し、早急に取り組むよう求めた。