町長人事介入 6医師辞意 鞍手町設置の病院 内科の全常勤医

2017.11.21

町長人事介入 6医師辞意 鞍手町設置の病院 内科の全常勤医
2017.11.18読売新聞



 ◆「翻意を」町民ら署名

 福岡県鞍手町の地方独立行政法人「くらて病院」(17診療科、約220床)で、町長による人事介入などに反発し、八代晃院長ら内科の全常勤医が来年3月末で退職する意向を表明するなど混乱が続いている。常勤内科医の不在に備え、受診医療機関を変更する患者も出ており、町民有志は17日、病院に約1400人分の署名を提出し、八代院長らに退職を翻意するよう求めた。

 旧町立だった同病院は2013年、町を設置者とする地方独立行政法人に移行。徳島真次町長は今春、人事権がないのに、病院事務を統括する当時の副理事長に退職を求め、新理事の構成案を提示するなどした。これに反発した八代院長ら内科の常勤医6人全員が退職を表明し、町議会に嘆願書を提出。徳島町長は10月、町議会の調査特別委員会で、「権限逸脱行為」を認めて謝罪したが、八代院長らの意思は変わっていない。

 病院によると、今回の事態を受け、産業医科大(北九州市)は来年4月以降、内科当直医の一部の派遣を取りやめると通告。人工透析患者約60人のうち、十数人が別の医療機関に移ったほか、入院患者に不安が広がっている。

 17日、病院に署名を提出した町民有志の「くらて病院を守る会」(島田久士代表)から、辞職意向の翻意を求められた八代院長は「残るかどうかは個々の判断」と述べるにとどめた。

 島田代表は「患者を守り、地域医療を維持してほしい」と話していた。