厚労省:医師不足把握に新指標 地理条件、偏在是正に活用方針

2017.11.20

厚労省:医師不足把握に新指標 地理条件、偏在是正に活用方針
2017.11.19 毎日新聞



 厚生労働省は医師の地域偏在を是正するため、地域ごとに医師がどの程度足りないかを示す新たな指標を導入する方針を固めた。そのデータを基に、医師派遣に関する都道府県の権限を強めるなどして平準化を図る。有識者検討会で年内に対策を取りまとめ、来年の通常国会に医療法の改正案を提出する方針だ。

 これまで医師の偏在は、人口10万人当たりの医師数で議論されてきた。国の調査では、最多の京都府(308人)と最少の埼玉県(153人)との間に2倍の差がある。同じ県内でも、例えば愛知県の尾張東部(361人)と尾張中部(79人)では4・6倍の開きがある。だが医療のニーズは地域ごとにまちまちで、単純比較できないとの指摘もあった。

 そこで厚労省は、住民の年齢分布、近隣の医療圏への行きやすさといった地理的条件なども加味し、実態に沿ったデータを作ることにした。全国を約340地域に分けた2次医療圏ごとに医師の不足度合いを算出し、対策のベースとする。

 不足する地域での医師確保には、都道府県の権限を強める。多くの大学医学部の定員には、一定期間の地元勤務を条件に奨学金返済を免除する「地域枠」があるが、都道府県が定員増などを大学に要請できるようにする。地域枠の卒業生を医師不足地域に派遣したり、病院ごとの臨床研修の定員を調整したりする機能も持たせる。また、地域医療の核となる病院の院長になる要件に、医師不足地域での勤務経験を加え、キャリア形成の優遇を図る。

 診療科の偏在も改善を進める。この20年間で、麻酔科や放射線科、精神科の医師は6~8割程度増えたが、激務の外科医や産婦人科医は横ばいだ。厚労省は診療科ごとの各都道府県の需要を予測し、必要な専門医数の目安を示して勤務先を誘導する。来年度導入される新専門医制度でも、研修病院が都市部や大学病院に偏らないよう日本専門医機構が都道府県と調整することを、法律に明記する。【熊谷豪、河内敏康】