企画[わが町フラッシュ]出水市の病院事業が苦境/医師不足で毎年数億円赤字=あす市民と「あり方会議」

2017.07.10

企画[わが町フラッシュ]出水市の病院事業が苦境/医師不足で毎年数億円赤字=あす市民と「あり方会議」
2017.07.08 南日本新聞


 出水市の病院事業が苦境に陥っている。2015年度決算で累積欠損金は77億4200万円。事業の中核を担う出水総合医療センター(明神町)は、慢性的な医師不足のため、今後も毎年数億円の赤字を出す見込み。病院側は、9日に市音楽ホールで市民を対象に「病院あり方会議」を開くが、厳しい意見が出そうだ。

 病院事業は同センターと高尾野、野田両診療所の3施設。同センターは、国の臨床研修医制度が導入されて以降、常勤医が減り続けており、02年度の37人から15年度は19人になった。医師がいなければ患者は来ず、医業収益は悪化の一途をたどる。

 6月の市議会一般質問では、経営改善策を求める議員に対し、今村純一病院事業管理者は「どこかで大きくかじを取り直さなければ。規模縮小や合併も考えなければ黒字化は難しい」との考えを示した。

 議会が懸念するのは、病院事業が市財政に及ぼす影響だ。本来、独立採算である同センターは、09年度から運転資金不足を補うため、市一般会計から毎年数億円の借金をしている。15年度は3億5千万円借り入れ、累計残高は14億6300万円に上る。

 借り入れは今後も続く見込みだ。病院側は今年3月、17~20年度の改革プランを作成した。それによると、同センターは毎年3~4億円規模の借り入れが必要とし、計画最終年度の残高は21億7300万円としている。

 これには質問した議員も「改革プランと呼べるのか」と怒りを隠さず、14年の市長選で「公立病院は絶対守る」と公約に掲げた渋谷俊彦市長も「経営安定を目指すことを担保に貸している」と述べ、病院側に計画の見直しを求めた。

 同センターは9日の「あり方会議」で、苦しい財務状況に加え、少子高齢化や病床削減など地域医療を取り巻く問題について説明する。渋谷市長は「市民の安心のために、よほどのことがない限り公設公営を続けたいが(赤字補てんは)ぎりぎりのところまで来ている。これからの病院はどうあるべきか、市民も一緒に考えてほしい」と話した。(吉永亮治)

【写真説明】厳しい経営が続く出水総合医療センター=出水市明神町

南日本新聞社