〈検査専門医会・登会長〉連携推進法人制度への注視が必要/中央化を予測、臨床検査業界にも影響

2017.05.08

〈検査専門医会・登会長〉連携推進法人制度への注視が必要/中央化を予測、臨床検査業界にも影響
2017.05.01 Medical & Test Journal 


 日本臨床検査医学会はこのほど、都内で定時社員総会・講演会を開いた。日本臨床検査専門医会の登勉会長が地域医療構想をテーマに講演し、4月からスタートした地域医療連携推進法人制度について、医療機関のみならず、臨床検査業界も大きな影響を受けると予測し、業界としてどのように対応していくかが問われていると指摘した。

 地域医療構想は、2025年の医療需要や同年に目指すべき医療提供体制などが盛り込まれている。14年の医療法改正で、地域医療構想とともに、知事の権限強化、(都道府県と医療関係者、保険者などによる)協議の場の設置などが示された。医療法改正について登氏は、「知事の権限を強め、地域医療構想を進めるというメッセージ」と述べ、地域医療構想を達成するために同法人制度が選択肢の一つとなっていると紹介した。

 また、同法人制度について、「(病院の連携・統合が行われることから)臨床検査室の運営にも大きな影響が予想される」との考えを示した。対応次第で良くも悪くもなるとし、臨床検査専門医にとって、チャンスである一方、対応によっては非常に微妙な立場になりかねないと述べた。

 これまでは、医療機関単位で戦略を持って医療を提供していたが、同法人制度の創設により、グループの医療機関間で病床機能の分化・連携が行われると予想。医療機器の共同利用や医薬品の共同購入が行われるとも見通した。

 登氏は、同法人制度を成功させるために、「知事の権限強化」「大学の医師派遣機能」が重要になると予測。地域で大学が中心的な役割を担うとともに、知事の要請を受けて公立病院の病床が調節されることもあるとした。

 一方で、岡山大学が中心になって検討されている岡山メディカルセンター構想にも触れ、「さまざまな運営主体を持つ病院が連携することから、簡単には法人化されにくい事情がある」と指摘した。

 臨床検査室については、同法人制度の中で中央化されるとの見方を示した。連携する医療機関の中で臨床検査をどのように実施するか、ビジョンを持って行動することを求めた。

 登氏は本紙の取材に対し、「地域医療構想により2025年の病床数は、全国で10%以上、三重県では20%以上の削減が見込まれる。当然コメディカルの人員削減は必至となる」と述べ、病床の機能分化・連携、在宅医療の推進が示される中で、臨床検査業界全体での取り組みが重要になるとした。