大分中村病院を運営する社会医療法人恵愛会(中村太郎理事長)、

2017.05.26

大分中村病院を運営する社会医療法人恵愛会(中村太郎理事長)


◼️パルコ跡地、年内売却へ “県都の顔”活用白紙に

 政府系ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)は23日、経営難の大分中村病院(大分市大手町)の再生支援を決めた。機構は同日、県庁で会見し、大分パルコ跡地(同市府内町)への病院の移転計画を断念する方針を正式に表明した。年内をめどに「JR大分駅前の活性化に資する事業者に売却する」としている。県都の顔と言える一等地の活用策はいったん白紙に戻った。

 REVICヘルスケアチームの羽田雅史マネージング・ディレクターらが会見。病院の関係者は出席しなかった。
 パルコ跡地の売却は三井不動産リアルティ(東京都)が窓口になる。複数の候補を選び、コンペをした上で病院、金融機関、行政など関係者の合意により決める方針。羽田マネージング・ディレクターは「駅前の活性化に水を差さないよう、できる限り早く決めたい」と語った。
 これまで移転が実現しなかった理由として、東日本大震災からの復旧で建築費が上昇したことや、病院の増改築により借入金が増え資金調達が難しかった点などを挙げた。
 市内の商店街関係者は移転断念に理解を示した。サンサン通り商店街振興組合の児玉憲明理事長は「大分市の玄関口でもある一等地。行政・経済界が一緒になり、どう活用するか本気で考えてほしい」と話した。
 新病院の建設計画は、同市大手町の現在地を第1候補にする。2020年以降になる見込み。実現に向けて、REVICは事業再生計画の策定を支援し、数人を病院に派遣する。金融機関など関係者間の利害調整をする。
 大分中村病院を運営する社会医療法人恵愛会(中村太郎理事長)、大分銀行、西日本シティ銀行の3者が22日にREVICへ再生支援を申し込んだ。協議は1年ほど前から続けていた。
 羽田マネージング・ディレクターは「大分中村病院は年間で約2千件の救急搬送患者を受け入れるなど、大分になくてはならない病院。新病院の建設を支援する」と話した。 

<メモ>
 恵愛会は2012年、パルコ跡の土地約4300平方メートルと空きビルを取得。当初は15年度中に新病院を開業し、高齢者住宅や介護施設も入居する「ヘルスケア拠点」を整備する方針を示していた。建物を解体した後、コインパーキングとして使っている。