聖路加国際病院 20科で土曜診療廃止へ 2017年5月12日 日テレニュース

2017.05.15

聖路加国際病院 20科で土曜診療廃止へ  2017年5月12日 日テレニュース  
 
 
皇族の診療も行っている東京・中央区の聖路加国際病院が、労働基準監督署の立ち入り調査を受け、医師の長時間労働を見直すため、来月から土曜日の外来診療で約3分の2の診療科を廃止すると発表した。

 聖路加国際大学によると、聖路加国際病院は去年6月、中央労働基準監督署から立ち入り調査を受け、医師の長時間労働について指摘を受けたという。医師の時間外労働は去年4月から6月の月平均が約95時間に達していたという。

 こうしたことから病院は、来月から外来診療科の3分の2にあたる20の診療科で土曜日の診療を廃止することを決めた。

 また病院側は、結果として未払いとなっていた時間外の割増賃金など、十数億円を医師に支払ったという。/////////////////////////////////////////////////

 
聖路加国際病院で「ボーナス遅配」 労基署監査で劣悪な労働環境が露呈

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 都内屈指の人気病院「聖路加国際病院」が「崩壊寸前」(同病院関係者)だ。
「きっかけは今年五月ごろの労基署の監査」(同前)。この監査で、サービス残業が当たり前という聖路加の「ブラック企業」ぶりが指摘された。また、他の病院と比較して給与体系も低く、後期研修を終えた三十代前半の医師で年収は約四百万円程度にとどまっているという。しかも「アルバイトは原則禁止」(同)となっており、「聖路加で働かせてやっているのだから文句を言うな」(同病院医師)という態度であることも明らかになった。
 今回の労基署の指導を受けて、同病院は未払いの残業代を支払わなければならない。そのために財務状態が悪化したのか、今夏のボーナスの支払いが遅れたほか、一割程度のカットも行われた。
 同病院の財務報告(二〇一五年度)をみると、純利益は約百三十億円を上げている。寄付金だけで三十三億円を集めており、財務状況は盤石とみられてきた。
 しかし、一二年にオープンした高級診療所「聖路加メディローカス」(東京・大手町)が「会員が集まらず赤字垂れ流し」(前出関係者)。このほか、一三年に設立されたバイオ系研究センターが軌道に乗らないなど、乱脈経営ぶりが指摘されている。不祥事が表ざたになれば、寄付金にもマイナスの影響が出そうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・虚飾塗れの『聖路加国際病院』、杜撰な労務と放漫経営で傾く名門――“札付き医師”が相次ぎ移籍、若手の健康より日野原氏の名誉

「幹部がアホでやっていられません」。『聖路加国際病院』に勤務する医師は怒りを隠さない。仕事に見合わない収入にサービス残業…。病院内に渦巻いていた不満は爆発し、労働基準監督署に踏み込まれる事態にまで発展した。名誉院長として君臨する御年105歳の日野原重明氏のカリスマが独善に変質して、“白い巨塔”を蝕んだのか。“聖路加ブランド”の虚構を暴く。

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東京都中央区築地に隣接する明石町はその昔、『築地鉄砲洲』と呼ばれ、明治初期の外国人居留地として知られる。『立教学院』や『青山学院』等、ミッション系学校の発祥の碑が佇む歴史ある街で、一際目を引くのが聖路加国際病院だ。十字架を掲げるこの病院の存在により、明石町の一角だけは東京大空襲を免れた――。そんな逸話も伝わる。今、その名門病院が、杜撰な労務と財務で汚されている。病院関係者は、労基署の監査では「週に80時間を超える超過勤務や、残業代の不払い等が問題となった」と明かす。「巧妙に若手医師をこき使う」と聖路加OBは重い口を開く。日本では、大学を卒業後の最初の2年間は、厚生労働省が指定する病院での研修が義務付けられている。この間、給与の一部は厚労省から助成される。3年目以降は自由競争だ。聖路加は、その圧倒的なブランド力を武器として、他より安い給料で若い医師を集める。卒業後3~6年目の医師は“専攻医”と呼ばれる。“修業見習い中”という意味だ。契約は1年更新で、内科の場合、月収は55万~60万円程度。ボーナスや残業代は出ない。卒業から7年目以上の呼称は“フェロー”。乳腺外科のケースでは、契約は1年更新で原則3年間。給与は月額46万7000円。経験を積めば給与が下がるという摩訶不思議な状況だ。しかも、アルバイトは原則禁止されている。「患者が急変すれば呼び出される為、聖路加の近所に住まなければならない。家賃は高く、妻子を抱える先生は切り詰めた生活を強いられる」(前出の聖路加OB)。それでも、若手医師の多くが聖路加での研修を希望する。何故か。「お金が目的ではなく、キリスト教の精神に則り、患者中心の医療を提供する聖路加の姿勢に共鳴したから…」と、聖路加で研修した女性医師は語る。聖路加の元スタッフも、「抑々、高い給料を求める人は聖路加に来ない。患者の為にベストを尽くすだけ」と言う。

1995年、『オウム真理教』による『地下鉄サリン事件』。あの時は、最寄りの築地駅で最も多くの被害者が出て、聖路加が700人もの患者を無条件で受け入れ、廊下に置かれたストレッチャーで懸命の治療に当たった。サリン被害の治療に逸早く対応したのも聖路加だった。日野原院長(当時)の英断と病院のレベルの高さに、国民は拍手喝采した。そのブランドは若手医師には眩い。今年度の初期研修医のマッチングでは、24人の定員に60人が応募した。その数は、大学病院を除く市中病院で全国トップを誇る。ところが、現在の聖路加の幹部は、彼らの熱意に応えようという気概を持ち合わせていない。いや、寧ろ若者の熱意と憧れを利用している。「日野原氏も変節して、今や“老害”」と病院関係者は断罪する。別の聖路加のOBは、「過労で倒れた女医が労災申請しようとしたところ、日野原先生の逆鱗に触れたことがある」と振り返る。その理由は、「マスコミで報じられると困る」という理由だったという。日野原氏は、勲二等瑞宝章や文化勲章を受けた著名人。聖路加では今や、「若手医師の健康よりも、日野原氏の名誉のほうが重視されている」と関係者は呆れる。聖路加の医師数は413人に上る。この内、初期研修医・後期研修医(専攻医)・フェロー等の若手医師は約130人。彼らこそ、聖路加にとって使い勝手のいい労働力に他ならない。20代から30代半ばの最も働ける時期に、安くこき使えるからだ。有期雇用の為、30代半ばになれば“フェロー修了”として契約を更新しなければいいだけの話だ。若手医師も、このカラクリは熟知している。聖路加に勤務した別の女医は、「優秀な人たちにとって、聖路加は一時的な勉強の場に過ぎない。力を付ければ活躍の場を移す」と割り切る。この状況も、正規スタッフの医師になれば様変わりする。富裕な患者から多額の謝金を貰うようになるからだ。聖路加には1泊10万8000円の特別個室Aが3室と、1泊6万4800円の特別個室Bが30室ある。「このような個室に入院する患者からは、50万~100万円の謝金を戴くことも珍しくない」(聖路加スタッフ)。多くの医師の目は、患者の懐に自ずと向いていく。こうした歪んだ労働体系も影響しているのだろう。幹部に研修医からの生え抜きは少なく、外様が目立つ。例えば、聖路加の看板医師である大東誠司医師(消化器・一般外科)は広島大学を卒業し、東京女子医大病院に入局。36歳の時に聖路加に移籍している。消化器系にロボット手術を導入したパイオニアの1人だ。前立腺肥大に対するホルミウムレーザー前立腺核出術で有名な遠藤文康医師(泌尿器科)も外様だ。1993年に筑波大学を卒業して、そのまま同大学附属病院の泌尿器科に入局し、2006年に聖路加へ移った。聖路加は、自らの病院に集う若手医師を育て上げるより、即戦力を引っ張ってくるのだ。
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ただ、このような引き抜きは必ずしも奏功しない。“札付き”と陰口を叩かれる医師も少なからず存在する。2001年に虎の門病院産婦人科部長から聖路加へやって来た佐藤孝道医師は、1971年に東京大学医学部を卒業した。元同僚は、「腕はいいが、人間関係で揉めることが多かった」と指摘する。「聖路加は、死産になったケースで助産師に『お前が悪いんだ、能無し!』と罵倒する等、陰湿で部下のミスを執拗に責める体質がある」と聖路加の医師。佐藤氏と反りの合わなかった医長は病院を追われ、患者が署名活動で佐藤氏の責任を追及しようとしたが、「佐藤氏は日野原氏が連れてきたから」という理由で不問に付された。2010年に『国立がん研究センター中央病院(国がん)』の臨床検査部長から聖路加の研究管理部長に移籍した高上洋一氏は、国がん在籍中に不正に関与した疑惑が付き纏う。「2013年に科研費約2570万円を不正にプールし、家電製品等の購入に充てた」として、当時、国がんの小児腫瘍科長だった牧本敦氏が懲戒解雇された。高上氏は、この牧本氏と徳島大学の同窓で、徳島大と国がんで牧本氏の先輩だった。国がんの同僚は、「『高上が牧本に不正を手解きした』と噂されていた」と振り返る。「(2014年に発覚した)虎の門病院での科研費不正を指南したのも高上氏ではないか」と囁かれる。2006年3月から2013年2月までに、計1536万円が裏金と化した。『会計検査院』の調査で発覚し、厚労省科研費の主任研究者だった医師が処分された。この人物は、高上氏の推薦で主任研究者となっていた。事務を取り仕切った秘書は元々、高上氏に仕えている。2010年に改革派の嘉山孝正氏が国がんの理事長に就任して、「高上は真っ先にクビになった」(国がんの内科医)。聖路加には、高上氏を筆頭に、国がんの高上グループから4人の医師が移籍している。

福井次矢院長の別名は、“日野原氏の太鼓持ち”。専門は循環器内科だ。日野原氏の直系の後輩で、1976年に京都大学を卒業。京大医学部附属病院の総合診療部等を経て、2005年に聖路加の院長に就任した。だが、病院経営に携わった経験は乏しいにも関わらず、名誉欲だけは旺盛だ。厚労省厚生科学審議会会長・文部科学省科学技術学術審議会生命倫理安全部会会長・『日本医療研究開発機構審議会』委員…。民間病院の院長は、医療事故・職員の不祥事・患者のクレーム等、日々膨大な仕事への対応に追われるのが普通だ。本来なら、外部の名誉ポスト等引き受ける暇は無い筈。こんな状況で組織が迷走しないほうがおかしい。その福井氏が主導して、2012年秋、千代田区大手町に健診クリニック『聖路加メディローカス』を開業させた。「国際金融街として発展が期待される新しい大手町、そこで働く様々な国から来られた方々を含む多忙な人々の為に…」と息巻く。所長は心臓外科の渡邉直医師だ。1981年に札幌医科大学を卒業。当時、名門だった東京女子医大の心臓外科の医局で修業し、1997年に聖路加へ移った。典型的な外様だ。クリニックの売りは、会員制の健康サポートプログラム。個人会員の入会金は180万円、年会費は60万円と高額だ。富裕層を対象とした健康保険外のサービスで、“聖路加の十八番”と思われているが、実態は会員が集まらず、赤字を膨らませているという。この失敗でも、聖路加には反省の色は見えない。昨年3月には『聖路加臨床学術センター』という地上8階・地下1階のビルを建てた。243人を収容でき、複合言語通訳に対応する国際会議に活用可能な『日野原ホール』も造り、“臨床-教育-研究が融合する施設”と喧伝する。ところが、これまた赤字垂れ流しの温床と冷ややかに受け止める向きが多い。聖路加の昨年度の財務報告は、一見すると盤石そうだ。純利益は130億円。寄付金だけで33億円に上る。人件費率は45%で、総資産は851億円、自己資本比率は88%だ。借入金は長期2億円、短期は3300万円しかない。だが、こうした数字にはまやかしが潜む。先ずは会計処理上の問題だ。昨年度は『聖ルカ・ライフサイエンス研究所』を解散し、その資産を聖路加国際大学に譲渡した。また、『聖路加財団』から前出の聖路加臨床学術センター関連の資産を譲り受けた。これらを除くと、実質は8億円の赤字に陥ってしまう。原因は、病院部門での無闇な人員増と、無用に嵩むコストだ。教育事業のほうにも、赤字の芽が潜む。会計上は19億円の黒字だが、これは32億円の寄付金で下駄を履いた数字。この内、現物寄付15億円、特別寄付が5億円もあり、前出の資産の譲り受けによるものだ。これが無ければ、実は1億5700万円の赤字になる。聖路加は、抜群のブランド力とは裏腹に、その内情は火の車なのである。しかし、聖路加の経営が改善する目途は立たない。医療費の抑制に躍起な政府は、診療報酬を確実に減額していく。更に、2019年10月には消費税率が10%に引き上げられる。医療機関にとっては2%の損税だ。不祥事が次々と発覚していけば、年間10億円を超える一般寄付は減り、昨年度に8億円だった“隠れ赤字”が姿を現すだろう。

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収入が伸びなければ、コストをカットするしかない。手っ取り早いのは、有期雇用の若手医師の採用減か給与カットだ。それは、蛸が自らの足を食べるに等しく、悪循環が始まれば、軈て若手医師からも見捨てられよう。当面は総額851億円の保有資産の売却で辻褄を合わせたとしても、それは貯金の切り崩しと同じだ。赤字垂れ流しの放漫経営に明け暮れる幹部を一掃しない限り、競争力を取り戻すことはない。聖路加は2014年、『日本興業銀行』OBである糸魚川順氏を理事に迎えており、同氏は昨年4月から理事長を務める。興銀時代はアジア担当の常務を務めた人物だ。乱脈経営を放置する聖路加の膿を出し切る改革を断行できなければ、名門の落日はそう遠くない。一方、盤石とみられていた聖路加スタッフにも綻びが目立ち始めた。「今年3月の年度末を期限に、多くの医師と看護師が退職を希望している」(関係者)というのだ。労基署の監査の結果、聖路加は昨年5月、過去の残業代を遡って支払うことになり、ボーナスの支払いは減額・遅延となった。昨年末には、職員を対象に基本給の引き下げが言い渡された。残業代は見做しで定額となる。基本給の引き下げ分を補う為に諸手当てを増額するというが、職員の間からは「全く信頼できない」と嘆き節だけが漏れてくる。聖路加が創設されたのは1902(明治35)年に遡る。聖路加は“セイント・ルカ”の当て字。ルカは、「キリストの昇天後、使徒となった聖パウロに絶えず同行して、医師として務めを果たした」と『新約聖書』は伝える。その聖人に名を借りた創設者のルドルフ・トイスラーは、聖路加の使命を後世に残した。「キリスト教の愛の心が人の悩みを救う為に働けば、苦しみは消えて、その人は生まれ変わったようになる。この偉大な愛の力を誰もが直ぐわかるように計画されてできた生きた有機体が、この病院である」――。聖路加に群がる面々は今、慈愛に満ちたトイスラーの遺志をどう聞くのだろうか。