◎知ってナットク ニュースのポイント 全国の病院ベッド数削減って? 高齢化に備え体制再編

2017.04.18

◎知ってナットク ニュースのポイント 全国の病院ベッド数削減って? 高齢化に備え体制再編
2017.04.17 京都新聞 


 将来の医療提供体制に関する各都道府県の推計で、2025年に必要な病院のベッド(病床)数は全国で約15万6千床減る見通しであることが分かりました。

 太郎 病院のベッドは全国にいくつありますか。

 花子 精神科などを除く一般病床と、高齢者らが長期入院する療養病床を合わせて13年に約134万7千床ありました。削減数はこの11・6%に当たります。

 太郎 今回の推計が出た経緯は。

 花子 25年は団塊の世代が全員75歳以上になる年で、医療や介護の費用が大幅に増えることが予想されます。国はそれまでに医療体制を再編するため、あるべき将来像を示す「地域医療構想」を各都道府県がつくるよう、14年成立の法律で定めました。推計は厚生労働省が示した計算式に基づいていて、3月末までに全都道府県が策定した構想に含まれています。

 太郎 なぜ必要な病床数が減るのですか。

 花子 日本は人口減少と少子高齢化が進む見通しで、急病や大けがをした若い人に手術をするといった医療の必要性は低くなっていきます。一方で、高血圧や糖尿病など慢性的な病気を持ちながら生活する高齢者が増えます。政府はそれに合わせて病院医療をスリム化し、在宅医療への移行を促したい考えなのです。費用の抑制につなげる狙いもあります。

 太郎 都道府県によって違いがありますか。

 花子 現在の病床数や将来の人口構成などで削減率は異なります。最高は鹿児島県で34・9%。熊本、富山など計8県が30%を超え、20%台も19県あります。一方、首都圏の1都3県と大阪府、沖縄県は医療ニーズが増えるといった理由で病床増が必要です。

 太郎 削減は義務ですか。

 花子 そうではありません。各病院の自主的な判断が基本です。都道府県内をいくつかに分けた区域で今後、行政や医師会、病院などの関係者が話し合って具体的に決めていきます。ただ、協議がまとまらない場合、知事には病院に指示や要請を出す権限があります。厚労省は、医療機関に支払われる診療報酬でも誘導していくとみられます。減らした病床をどうするかは各病院の対応によりますが、規模の縮小や介護施設への転換といったことが考えられます。

 太郎 医療が削減されるのは不安です。

 花子 地方では、医師不足や人口減少に拍車がかかるという懸念も出ています。一方で、不要な病床を維持すれば医療費が膨らみ、私たちの負担もそれだけ重くなります。自宅や施設で安心して医療を受けられる体制をつくる必要があります。(共同)