三菱UFJリース・不断の挑戦(4)医療・介護支援-課題解決機能を一体提供

2017.02.23

三菱UFJリース・不断の挑戦(4)医療・介護支援-課題解決機能を一体提供
2017.02.23 日刊工業新聞


【地域包括ケア】

超高齢化時代を迎え、医療・介護業界では病院・介護施設の老朽化や病院経営者の高齢化などが問題となっている。こうした中、築年数がたった病院の建て替えや医療機関の機能強化・転換による経営安定へのニーズが高まっている。

これらを受け、政府は「日本再興戦略」などで病院間の連携を強化し、地域単位で病院と介護を一体型とする「地域包括ケアシステム」の普及を強く推進。4月の改正医療法施行で、医療と介護の連携や機能の一体化を先導する「地域医療連携推進法人」の創設を目指している。

三菱UFJリース(MUL)は将来の地域医療を担う地域包括ケアシステムをワンストップで支援するため、医療・介護分野でも「ビジネスモデルの進化」を推進する。

2014年には介護施設の開発・運営を担うトリニティ・ケア(東京都新宿区)を設立。16年5月にその1号施設となる「ブランニュー杉並高井戸」が営業を開始した。

【病院経営の改善】

16年12月には病院・介護事業者向けに経営改善などの提案業務を行うMULヘルスケア(MULH、同千代田区)を設立するなど、矢継ぎ早に医療・介護分野の機能拡充を推進している。MULHの山本岳彦社長は「まずは医療機器の調達やその管理業務をさまざまな角度から支援できるコンサルティング能力を発揮したい」とし、今後、人材派遣やIT関連サービスなども視野に入れている。

また、地域医療・介護分野でサービスを一体提供するために重要な機能を発揮するとみられるのが、医療・介護分野のアセットマネジメントにノウハウを持つ、ヘルスケアマネジメントパートナーズ(HMP、同港区)だ。MULがより高度なビジネス展開を図るため、16年10月に三菱商事から買収した。

共同出資者となる日本政策投資銀行(DBJ)や地域金融機関との連携機能も生かし、老朽化した病院施設の建て替え資金捻出に悩む医療機関を対象に総額700億円規模の投資が可能なファンドをDBJと共に組成した。今後はこのファンドを活用し、病院・介護施設の新築・増築やキャッシュフローの安定化など、さまざまな経営課題に対し不動産の流動化やメザニンファイナンスを提供していく計画。このファンドを運用するHMPの村山浩社長は「診療の中身を理解しながら医療機関の将来キャッシュフローを予測できる」と自社の強みを強調する。

【グループ全体で】

MULHの山本社長は「これらのサービスが一体提供できる数少ない企業集団であり、これも強みに病院経営の中枢にいる病院長や理事長らとの距離を縮めていきたい」と今後の抱負を語る。

MULは金融と事業の融合によるこれらの取り組みにより、医療・介護分野でも事業機会を確実に創出していく。