大病院、紹介状なし受診減 制度改正、初診で高い負担金 「役割分担」の狙い進む?/北海道

2017.01.02

大病院、紹介状なし受診減 制度改正、初診で高い負担金 「役割分担」の狙い進む?/北海道
2016.12.30 朝日新聞


 大病院(医科)を初めて受診する際、紹介状がなければ5千円以上の負担金を支払う制度が4月に導入された。その結果、道内の大病院で紹介状のない患者数が減る傾向にあることが、朝日新聞の取材でわかった。軽症患者に受診を控えてもらい、大病院と役割を分担するという制度改正の狙いが進んでいるようだ。


 制度の対象は、大学病院などの「特定機能病院」と、知事が指定する「地域医療支援病院」のうち一般病床500床以上の病院。

 厚生労働省北海道厚生局などによると、道内では、特定機能病院が北大、札幌医大、旭川医大、地域医療支援病院が市立札幌、手稲渓仁会(札幌市手稲区)、旭川赤十字、釧路労災の計7カ所がある。

 7病院では、紹介状がない患者は初診時で5千円以上の負担金を支払わないと診察を受けられない。金額は各自治体や病院が決める。市立札幌が5千円、旭川赤十字が6480円で、他の5病院は5400円(いずれも税込み)。

 7病院とも以前から負担金を徴収していたが、市立札幌と旭川赤十字を除く5病院は、制度改正に伴い4月から金額を引き上げた。この前後に負担金を支払って受診した患者の数を5病院に尋ね、「統計データがない」という札幌医大以外の4病院の回答を得た。

 それによると、昨年1年間に負担金を支払ったのは、旭川医大が3360人、釧路労災が2681人、手稲渓仁会が1519人。北大は延べ477件だった。新規患者に占める割合は旭川医大が21・1%、釧路労災が46・4%、手稲渓仁会が13・4%だった。

 一方、今年4~9月に負担金を支払ったのは、旭川医大が1077人(前年度の32%)、釧路労災が895人(同33%)、手稲渓仁会が488人(同32%)で、北大が延べ134件(同28%)。いずれも前年度の半数に届かず、ペースとして大きく減少した。

 改正の狙いは、軽症の患者の安易な受診を抑えることで、大病院が重症患者の治療に専念できるようにすること。待ち時間短縮につながるとの指摘もある。4病院の実績からは、現状では国の狙い通りに進んでいると言えそうだ。

 患者はどのように受け止めているか。手稲渓仁会病院は、負担金についての相談を受け付ける「受診相談コーナー」を設置。今年上半期では、紹介状を持参せずに来院した人が1200人訪れ、電話相談は1600件あった。

 制度自体を知らない人もいれば、制度は知っていても同病院が対象だと知らない人もいる。負担金の額が高いという意見もある。ただ、「説明しても納得してもらえないケースは減ってきた」(担当者)という。