新世紀JA研究会(代表=八木岡努・JA水戸組合長)は11月14日、東京・大手町のJAビルで「新総合JAビジョン確立のための危機突破・課題別セミナー」を開いた。

2016.12.01

 

http://www.jacom.or.jp/noukyo/news/2016/11/161116-31385.php
新世紀JA研究会(代表=八木岡努・JA水戸組合長)は11月14日、東京・大手町のJAビルで「新総合JAビジョン確立のための危機突破・課題別セミナー」を開いた。セミナーは、前回(10月4日)に続く2回目のセミナー。前回は全体の課題を整理・共有し、それに沿って今回は公認会計士監査の内容、それへの対応等について意見交換した。

全国からJA役職員約100人が参加し活発に意見交換した あいさつで主催者の八木岡会長は「われわれはそれぞれ、地域の特性を生かした変革に取り組んでいる。課題別セミナーを通じ、活発な意見交換の場にしたい」と期待を述べた。また公認会計士監査の問題を取り上げた理由について、同研究会の福間莞爾顧問は「金融庁管轄の公認会計士監査は、これまでの主張が通らないことも予想される。厳しい監査に耐えられるように、JA自ら内部監査を徹底しなければならない」と、JA役職員の意識改革の必要性を強調した。 JA監査法人の設立についてはJA全中の太田実常務が、その課題と対策を話した。JAグループは、現在のJA全国監査機構を監査法人に転換する作業を進めており、イメージとしては50人程度の公認会計士を持つ監査法人を想定していると説明。そのための最優先課題として、公認会計士の確保を挙げた。
 また監査費用モデルとして信金・信組の統計をベースに、総合事業を営むJAの特性を加味して、1JAあたり1000~2400万円と算出。それぞれのJAは新制度移行となる平成31年度までに、このJAの監査法人か、一般の監査法人かの、いずれかを選択しなければならない。
監査法人監査にかかるまでの準備で重要なこととして、リスクアプローチ監査の徹底を挙げた。
 これまでの中央会監査は慣行で監査対象を決め、監査士の経験と勘に頼りがちで、必ずしもリスクを反映していない可能性があったが、公認会計士監査では、リスクの種類・程度を基準として、(1)監査対象の優先付けを行い、(2)監査の対象範囲・項目および監査手法を決める必要がある。そのためにはJAでの内部統制整備の確立が前提となり、JA全中では平成27年度にモデルJA(100JA)のリスクアプローチ監査を通じて問題点・課題を整理し、28年度以降、中央会・JAバンクと連携しつつ、期中監査時に改指導の実施を予定していることを説明した。
 同じく公認会計士監査移行に当たってのJAの準備と心構えについて、トーマツ監査法人JA支援室の井上雅彦氏と公認会計士の高山大輔両氏が説明。業務の全てを確認するわけではなく、大事なことは会計士が何を監査するかを捉えることだと指摘。そのためには、重要な勘定科目を特定し、「まずリスクを評価してそれに対応するキーコントロールを絞りこむ必要がある」と話した。
 また公認会計士監査については、「金融庁が監査法人を検査するのであって、監査法人が監査対象に対し、何の説明を求めてどう対処したのかというストーリー性が重要になる。従って監査される方も、やっていることをきちんと説明できるようにしておかなければならない。これが十分できないと監査に時間がかかり、報酬の多寡にも影響する」と話した。
 公認会計士監査移行への体制づくりで先行しているJA横浜は、平成20年から専任担当を配置して内部統制の整備を進めてきた。波多野優常務は「金融商品取引法に求められている内部統制報告書も作成している。事前レビューにあたる監査法人の短期調査で良好な結果が出ており、公認会計士監査に対処できる水準に達した感触を得ている」と、早くから準備してきたことに自信を示した。
 意見交換では、「監査が厳密になると内部の監査役の責任が重くなるのではないか」、「協同会社の扱いはどうなるのか」、「ヨーロッパのように非営利法人の監査基準が必要ではないか」などの質問や意見があった。