小林で出産できない/唯一の診療所 今月で休診/妊婦市外転院精神的負担も

2016.11.25

小林で出産できない/唯一の診療所 今月で休診/妊婦市外転院精神的負担も
2016.11.24 宮崎日日新聞 


 小林市で唯一、分娩(ぶんべん)を扱う産婦人科の有床診療所が、11月いっぱいで休診することが23日分かった。同市の出生数は年間371人(2014年)。診療所は年150~250件を扱っていた。今後の妊婦健診や出産は都城、えびの市など全て市外の病院に頼らざるを得ず、子育て世代の負担が重くなる。10年以上休診が続く小林市立病院産婦人科も再開のめどは立っておらず、地域医療への影響が懸念される。

 休診するのは、同市南西方で00年に開業した民間の有床診療所(16床)。出産や急患妊婦の受け入れ、子宮がん検診などを行っていた。休診は院長の健康が優れないためで、今月18日以降は外来診療を中止。出産予定の妊婦は市外の病院に移る準備を終えている。

 小林市には市立市民病院(現在の市立病院)に産婦人科があったが、経営効率化を理由に03年4月から休診。09年の病院改築時に産婦人科の再開を目指したが、医師を確保できず断念している。市内での出産は約13年間、この診療所が一手に担ってきた。

 診療所で11月に出産予定だった市内の20代女性は、予定日の約3週間前にえびの市の病院に転院し、出産。「自宅から車で30分以上かかり、精神的な負担も大きかった。小林市で子どもを増やすためには、市内で安心して分娩できる病院が必要」と訴える。

 休診の影響は大きいため、同市の肥後正弘市長らは16日に県医療薬務課を訪問し、医師確保に向けた情報の共有などを要請。今後は宮崎大医学部を訪れ、同様の要請をするという。肥後市長は「県や医師会、大学などと連携し、産婦人科の再開に向けて模索していきたい」と話している。

 県健康増進課によると、県内で分娩を扱う医療機関は、宮崎市や西都・児湯地域まで含めた県央部が16カ所で最多。県北部7カ所、県西部7カ所(休診する診療所を除く)、県南部4カ所。12月から西諸地域で出産できるのは、えびの市内の病院1カ所となる。