産後うつ早期ケア 健診費助成、無料化も 17年度から厚労省

2016.10.12

産後うつ早期ケア 健診費助成、無料化も 17年度から厚労省
 10,10 東京新聞

 

 

 出産後の母親が育児への不安や重圧によって、精神的に不安定になる「産後うつ」を予防するため、厚生労働省は二〇一七年度から、健診を受ける際の費用を助成する。深刻化すれば虐待や育児放棄につながったり、自殺を招いたりする恐れがあり、不調の兆しを早めに見つけ、行政の相談窓口など適切なケアにつなげるのが狙い。


 産後うつは約十人に一人が経験するとされる。費用助成は産後二週間と一カ月の二回、それぞれ五千円が上限で、国と市区町村が半分ずつ負担する。一般的な健診費は約五千円のため、事業を導入する自治体では、補助券などによって多くの人が無料で受けられ、出産した医療機関以外での健診も対象となる。厚労省は一七年度予算の概算要求に七億円を盛り込んだ。


 厚労省研究班が一二~一四年度に実施した調査では、初産の場合、うつ状態など精神的な不調に陥る人は産後二カ月ごろまでに多く、特に産後二週間の時期に発症のリスクが高かった。一カ月健診は広く行われているが、子どもの発育の確認が中心。研究班はより早い段階から、精神的に不安定になりやすい母親へのケアを充実させる必要があると指摘していた。


 健診では母親の身体的な回復状況に加え、授乳がうまくできているかなど、子育ての悩みを幅広く聞き、心身の状態を把握する。支援が必要と判断されれば、市区町村による育児相談や指導のほか、宿泊・日帰りによる産後ケア事業の利用などを促す。


 厚労省はこのほか、新生児への虐待防止のため、望まない妊娠で悩む女性の相談体制も充実させる方針。産科医療機関などに社会福祉士らを配置し、出産後の住居や就労面での支援に向けたコーディネーター役を担ってもらう。一七年度に全国十カ所でモデル事業を実施する考えだ。

◆悩み聞いてくれる人いれば… 産後2週間、特に注意


 「突然、独りぼっちだと感じた」。東京都調布市の会社員の女性(33)は四年前、関西に里帰りして、第一子の長女を出産した。約一カ月後に自宅に戻ると、日中は一人で子どもと向き合う生活が始まった。


 昨日までとは違ってどうして眠ってくれないの? どうしたら泣きやむのだろう-。不安を和らげてくれる相手は周りにおらず、夜中に帰宅する夫が憎く思えた。「ちょっとした悩みを聞いてくれたり、アドバイスしてくれたりする人がいれば…」と振り返る。


 出産直後の女性はホルモンバランスの変化が激しいほか、子どもも日に日に違った様子を見せる。核家族化が進み、親族や地域での助け合いが薄れる中で孤立し、精神的に不安定になりやすい側面も。厚生労働省研究班によると、「産後うつ」は特に出産から二週間ごろに発症リスクが高く、早めの対応が鍵となる。


 横浜市戸塚区の産婦人科「小川クリニック」では約十年前から、産後二週間の相談に無料で応じている。小川博康院長は、「特に初めての子育てでは、何が当たり前なのかも分からない。少し話をするだけで、精神状態は大幅によくなる」と、早期ケアの意義を強調している。


<産後うつ> 子育てに対する不安や、ストレスの蓄積などによって抑うつ状態に陥る病気。強い疲労感、絶望感を覚え、子どもへの愛着を持てずに育児放棄や虐待にもつながる。出産前後に、ホルモンバランスの変化などにより一時的に気持ちが落ち込むことを、一般的にマタニティーブルーと呼ぶ。
 
 
 
 
 
産後ケアー 10・9 日本経済新聞

 出産後の母親が育児への不安や重圧によって精神的に不安定になる「産後うつ」を予防するため、厚生労働省は2017年度から、健診を受ける際の費用を助成する。深刻化すれば虐待や育児放棄につながったり、自殺を招いたりする恐れがあり、不調の兆しを早めに見つけ、行政の相談窓口など適切なケアにつなげるのが狙い。

 産後うつは約10人に1人が経験するとされる。費用助成は産後2週間と1カ月の2回、それぞれ5千円が上限で、国と市区町村が半分ずつ負担する。一般的な健診費は約5千円のため、事業を導入する自治体では補助券などによって多くの人が無料で受けられ、出産した医療機関以外での健診も対象となる。厚労省は17年度予算の概算要求に7億円を盛り込んだ。

 厚労省研究班が12~14年度に実施した調査では、初産の場合、うつ状態など精神的な不調に陥る人は産後2カ月ごろまでに多く、特に産後2週間の時期に発症のリスクが高かった。1カ月健診は広く行われているが、子供の発育の確認が中心。研究班はより早い段階から、精神的に不安定になりやすい母親へのケアを充実させる必要があると指摘していた。

 健診では母親の身体的な回復状況に加え、授乳がうまくできているかなど、子育ての悩みを幅広く聞き、心身の状態を把握する。支援が必要と判断されれば、市区町村による育児相談や指導のほか、宿泊・日帰りによる産後ケア事業の利用などを促す。〔共同〕




日経
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG09H1Z_Z01C16A0000000/

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016101002000128.html