県が弘前の2病院統合を提案 両病院、前向き姿勢 /青森県

2016.10.11

県が弘前の2病院統合を提案 両病院、前向き姿勢 /青森県
2016.10.08 朝日新聞



 県は7日、弘前市内での県地域医療構想調整会議で、弘前地域に新たな中核病院をつくるため、弘前市立病院(250床)と国立病院機構弘前病院(342床)を統合することを提案した。両病院は前向きな姿勢を示し、関係者間で協議を進めるとしている。


 県は3月にまとめた県地域医療構想で、「団塊の世代」全員が75歳以上となる2025年のあるべき県の医療提供体制の姿を示した。弘前地域については、200~300床の中小規模の病院が併存して病床利用率が低迷していることや、2次救急医療体制を再構築する必要性を指摘。自治体病院の機能分化・連携を推進し、中核病院を整備する必要性を示していた。

 今回の両病院の統合提案は、これを具体化するためのもの。両病院は約750メートルの距離にあり、12~14年度の平均病床稼働率は市立病院が71・3%、弘前病院が77・7%だった。

 県の提案では、両病院の統合で医師の集約化・増強が図られ、急性期医療や専門医療への対応力が向上するという。また、救命救急センターの整備で救急医療体制を確保・充実できる。周辺の黒石病院(黒石市)や大鰐病院(大鰐町)、板柳中央病院(板柳町)については、中核病院と連携し、回復期や慢性期の機能を担うようにする。

 統合を提案された市立病院の東野博院長は「地域の救急は本当に危機的状況。中核病院がきちんと救急を診られるようになれば市にとって非常にいい」と話した。また、弘前病院の藤哲統括病院長は会議後「限られた人材、力を効率的に使うには中途半端な病院が二つあってはうまくいかない。統合に異論はない」と前向きな姿勢を示した。弘前市医師会の今村憲市会長は「地域の実情から中核病院には特に救急に期待したい」と話した。

 県健康福祉部の一戸和成部長は「病院をつくることが目的ではない。救急など中核病院として魅力ある医療を提供し、地域住民の命を守るため両病院には前向きに検討してもらいたい」と話した。今後、県と弘前市、弘前大学、国立病院機構の4者を中心に統合に向け協議を進めていくという。

 両病院の統合は05年にも県が提案し、07年に白紙撤回された経緯がある。国立病院機構と市という運営主体が異なる病院同士の統合は、職員の身分や待遇をどうするかなどの問題があることから、当時は具体的な議論もされないまま白紙撤回に至ったという。(佐藤孝之、姫野直行)