研修医、群大希望1桁 制度開始来初、事故で学生敬遠か 県、人材確保を懸念/群馬県

2016.09.30

研修医、群大希望1桁 制度開始来初、事故で学生敬遠か 県、人材確保を懸念/群馬県
2016.09.28 朝日新聞



 来年春から研修医として勤務する医学生の受け入れ先を決める「マッチング制度」で、群馬大学医学部付属病院(前橋市)を第1希望とする学生は募集定員63人に対し、中間公表時点で9人だった。群大病院で1桁になるのは2003年度の制度開始以降初めて。


 全国約120の大学病院(関連施設含む)の中で内定者の定員充足率がワースト2位だった前年の状況を下回る低水準だ。県は医療事故の影響で敬遠した学生が多かったとみている。

 制度の運営主体で、日本医師会などでつくる「医師臨床研修マッチング協議会」が22日現在の状況を中間公表としてまとめた。10月6日に希望順位の登録を締め切る。第2希望以下も含む登録内容や病院側の採用希望状況に基づいて組み合わせ、20日に最終結果が発表される。

 協議会によると、すでに採用試験を終えている病院が多く、中間公表の時点から実際の内定者が大幅に増える例は少ないという。

 群大病院の第1希望者は中間公表で11年度の30人(実際の内定者32人)を境に減少し、医療事故発覚後の15年度は12人(同14人)へ急減。今年度はさらに3人減った。

 群大病院は「非常に重く受け止めている。質の高い医療を提供し、患者や医学生ら関係者の信頼回復に努めたい」とのコメントを発表した。

 臨床研修医を受け入れる県内14病院の合計でみると、第1希望者は中間公表で86人。13病院が募集し、81人(同83人)だった前年より5人増えたが、162人の定員を大きく下回る。すでに定員を上回っているのは済生会前橋病院(前橋市)と高崎総合医療センター(高崎市)、太田記念病院(太田市)の3病院のみだ。

 県医師確保対策室の江原昭二室長は「研修医の不足は将来的に県内で活躍できる医師の不足を招く」と懸念する。特に群大病院は地域の中核病院へ医師派遣機能を担っており、群大で若い人材が不足すれば、群大から医師の供給を受けていた診療科の閉鎖など地域医療の衰退を招きかねない。

 県によると、大学医学部への進学人数が多い学年は、研修医として県内の病院で採用される人数が多い傾向にあるという。医療現場の見学会や東京で開かれる医学生向けの説明会でのPRなど県は医療分野に関心がある高校生やUターンを検討する県内出身者らへのPRを強化する方針だ。(仲田一平)